仕事が増え続けるPTAで「やめていい仕事の見つけかた」3つのポイント

出産・子育て

2017/3/30

『PTAがやっぱりコワい人のための本』(大塚玲子/太郎次郎社エディタス)

 「PTA」を「PTO」に改革した出来事や、PTAに入会せずPTAの在り方を問うた出来事など、PTA関連の話題がしばしば持ち上がる。今年も次期PTA役員・実行委員決めのシーズンが終わりを迎え、今年度のPTA役員はやっと重い荷をおろせたと安堵している頃だろう。

 本来は子どものためにあるPTAが、保護者の悩みの種となっている笑えない状態が続いている。『PTAがやっぱりコワい人のための本』(大塚玲子/太郎次郎社エディタス)によると、PTAが嫌われているもっとも大きな要因は、「何のためにやるのか?」という活動目的がわからないのに、「例年どおり」で誰も興味を持たないイベントが多々開催されがちで、組織維持が目的化してしまっていること。

 本書によると、共稼ぎやひとり親世帯が増え、PTAがアテにしてきた「専業主婦の労働力」は大幅に減少している一方で、PTAの活動は縮小するどころか、維持または拡大している。なぜ、PTAの仕事量は減らないのか。それは「子どものため」の活動だから、と本書は述べる。「子どものために手をかけること」はすばらしいことであり、逆に間引くことはよろしくないこと。負担が重いから嫌っているPTAが、その負担を減らそうとすると白い目で見られてしまう、という保護者の矛盾がある。数年で組織を去るPTA執行部が、嫌われる覚悟で負担減にメスを入れるのは、相当に勇気が要ることだろう。

 とはいえ、担い手が減っている以上、仕事量も減らす方向に舵を切らなければ、PTAのなり手が一人もいなくなってしまう。本書は、「やめていい仕事の見つけかた」を3つのポイントに絞って提唱している。

(1)目的に照らして考えてみる

 PTAは何のためにあるのかを問い、目的の中心から外れるものはやめる。本書は、例として「ママさんバレーの試合を応援するためだけの動員」や「事故ゼロ箇所でおこなう旗ふり」を挙げている。

(2)活動範囲を絞り込む

「目的にあわないものを減らす」だけではPTAの仕事が減らせないようなら、活動目的自体を絞り込む。本書は、次の4つの目的のどれかに重点を置く方法を紹介している。

1・「子どものため」になることをすること
2・「保護者どうしのつながり」をつくること
3・「学校(先生)と保護者の協力関係」をつくること
4・「地域と学校の協力関係」をつくること

(3)費用対効果(コスパ)で考える

 いくら目的にあっていても、「成果」に対して「手間や負担」が大きすぎる活動は、やめてしまう。

 本書が上記の(3)で例に挙げているのは、ベルマーク活動。この活動が始まった1960年ごろには、時間に余裕がある母親たちが集まって楽しみながら、学校に備品を寄付できるシステムとしてそれなりに有意義な活動だったが、今の時代にはあわないとしている。

 本書は、それでもベルマーク活動を継続する場合として、手間を減らす方法を5つ提案している。

(1)扱うマークを限定する

「1点以上のマークに限定する」「紙に印刷されたマークのみを扱う」など、集計作業の効率を考えてルールをつくる。

(2)点数計算や確認は、大まかにする

 ベルマーク教育助成財団にいる、各PTAから送られてきたベルマークをチェックする専門職員に、細かい確認は任せてしまう。

(3)集計作業の時期や回数を見直す

 財団にマークを送る回数を減らしたり、人が集まりやすい時期に変えたりする。

(4)回収品だけを扱う

 本書がもっともオススメする方法。「インクカートリッジ」と「テトラパック」の回収のみを行う。PTAは回収箱がいっぱいになったときに協賛会社に連絡を入れるだけでよく、ベルマークのなかでは高ポイント。仕分け&集計作業が不要に。

(5)やめる

 学校に備品を寄付する方法はほかにもあるので、ベルマーク活動を終わりにする。

 ちなみに、本書は協賛会社に対して、「ベルマークという慈善活動への貢献はすばらしいが、PTAの負担から、今のやり方のままではむしろ会社のイメージダウンにつながりかねない」と憂慮している。

 本書は、PTAには「人とのつながり」が得られるなどメリットが大きい反面、時間をとられるなど負荷も大きく、いい面がなかなか注目されないが、実際のPTAの理屈やしくみを知ると、納得する部分もあると、存在意義を認める。PTAに興味がある方は、本書でその中身を知るか、実際に地域のPTAに関わってみてはいかがだろうか。

文=ルートつつみ(次期PTA会長候補)