バカに見られない! 相手を不愉快にさせない、感じのいい「日本語の使い方」とは?

ビジネス

2017/4/17

『バカに見られないための日本語トレーニング』(樋口裕一/草思社)

 見知らぬ人とも簡単にコミュニケーションが取れるSNSは今やなくてはならない通信手段。どこにいても手軽に素早く、発信ややりとりができることは便利な一方、話し言葉がそのまま使え、ネットスラングも氾濫する環境の中、いざ、ビジネスの場や目上の方とコミュニケーションを取るとなったときにきちんとした言葉を使えずに困ってしまう場面はないだろうか。そんな人たちを救うべく、相手の心をつかみ、上手に人間関係を築けるようになる日本語力の身に着け方を教えてくれるのが、『バカに見られないための日本語トレーニング』(樋口裕一/草思社)だ。

 著者は小論文指導の第一人者で、ベストセラーとなった『頭がいい人、悪い人の話し方』をはじめ、数多くの書籍を出している樋口裕一氏。「言葉はまさしく“中身”を表す」という文章添削のプロが、問題形式で日本語力を伝授する本書。その中から、人の心を動かす言葉の使い方のポイントと問題・解答例を紹介してみよう。

■本音をオブラートに包んで表現する

問題 次の率直な文では人を傷つけます。もっと遠慮がちな文に改めてください。

「彼はいやなやつなので、私は付き合いたくない」

解答例「彼は私とは考え方が違うようで、いっしょに行動するのはむずかしそうだ」

 このように、少し遠まわしで遠慮がちな言い方にすると和らぐ。他にも、批判する、言い訳する、自慢するなど、本音を隠したりわからせたりするには、相手の気持ちを汲みとりながら、多くの言葉を操ることが必要となる。

■しっかりとした知的な言葉を用いて人に伝える

問題 次の文を、ほぼ同じ内容のことを語る格調高い文に改めてください。

「子どもたちの勉強する力が落ちていることが問題になっている」

解答例
「子どもたちの学力低下が問題視されている」

 見知の人や不特定の人に対する場合や公式の場では、新聞や雑誌のようなしっかりとした文体で。仲間うちではくだけた文章、お店などであれば丁寧な表現にして伝えるなど、時と場合、相手によって、言葉遣いを使い分けることこそが社会人のマナー。そして、そこに必要なのが語彙力。語彙力がないと、正確に人に思いを伝えられない。

■マナーにかなった言葉を使う

問題 次の文をパワハラにならないように改めてください。

「こんなこともできないんなら、明日からもう会社に来るな」

解答例 「しっかり仕事をして、君の地位を安定させてください」

 言葉遣いにもマナーがあり、これを守り、使いこなすことで、常識的で教養のある人間とみなされる。敬語はもちろんのこと、上記のようなデリケートなことでも、少し工夫することによって、だれからも問題にならずに伝えることができるという。

 本書内には他にもさまざまな角度で日本語力を試される問題がたくさん出されている。簡単なようで意外と答えに苦しむ箇所もあるが、著者ができるだけ楽しく問題が解けるように工夫したというだけあって、思わず笑ってしまうものも多い。これを読んで、見た目だけでなく中身も磨き、美しい言葉遣いのできる知的で感じのいい大人を目指そうではないか。

文=三井結木