逆から物事を見られる人が成功する? 表裏一体のものをどうとらえたらよいのか?

ビジネス

2017/4/21

『成功する人はみんな《逆》に考える』(小川仁志/ぱる出版)

 最近は周りの人と違うことをするのを恐れる人が多い。少しはみ出ただけでSNSなどで叩かれてしまうからかもしれない。しかし、常に横並びでいたのではつまらない。群れから飛び出て反対側から物事を見ることも時には必要だろう。そこで、正攻法の逆の発想が成功には欠かせないという『成功する人はみんな《逆》に考える』(小川仁志/ぱる出版)を取り上げる。

◆人はなぜか「逆」に惹かれる

 この本の著者・小川仁志氏は、人は知らず知らずのうちに正攻法とは「逆」のものにかっこよさを感じ、魅了されてしまうという。確かに、「逆」という字が付いた言葉を探してみると意外と多く、しかも案外いい意味で使われている。いずれも正攻法ではないやり方を意味する言葉なのだが、普通ではない点にちょっぴりかっこよさを感じてしまうのだ。例えば、金融投資などで使われる「逆張り」という言葉。トレンドとは異なる銘柄に目を向け、普通とは正反対の行動をとることなのだが、うまくいけば大きなもうけにつながるため、無謀というよりも度胸のよさが感じられる言葉の響きになっている。

 逆という字が付かなくても、普通ではないという意味を持つ言葉はたくさんある。中でも、「常識を破る」などは、通常とは逆方向に行っているにもかかわらずよい意味で使われる。それだけ、正攻法ではないことに魅力を感じる人が多いということだろう。しかし、残念ながら普通の人間は、正攻法の発想しかできないようにできている。なかなか逆からの発想はできないのだ。そのため、常人ができない逆からの発想をする人だけが成功できることになる。

◆同じことが続くと「逆」が魅力的に見える

 人はずっと同じことだけを続けていると、たまには反対のこともしたくなる。同じことが続いていると安心はできるのだが、その一方で物足りなさも感じるようになるからだ。多数派に入ることで安心を感じる人が増えた現代でも、周りがみんな同じものを持ったり、同じことをしたりすると熱が冷めてしまう。商売は先を見て動かなければならないものだから、次に来る今のトレンドの「逆」は何なのかに早く気が付かなければならない。だから、「逆」に目を向けた発想ができるかどうかが成功のカギを握るわけだ。

◆逆転の発想が人生を楽しくしてくれる

 逆の発想といっても、具体的にはどうしたらよいのかわからないという人もいるだろう。自分が普通に考えることの逆は普段考えないことなのだから、なかなか具体的には思いつかないという人が多いはずだ。しかし、普段は避けてしまうこともあえてやってみれば何か新しいものが見えてくるかもしれない。例えば、いつも嫌なことがあるとその部分から目を背けてしまうのであれば、あえてその嫌な部分と向き合って、なぜ嫌なのか、どうすれば嫌でなくなるかということを考えてみると、普段は気が付かなかったことに気が付けるかもしれない。そうすれば、嫌で嫌で仕方なかったことの中にも楽しさが見つかる可能性もある。

◆逆に目を向ければ新しい仕事も生み出せる

 著者の小川氏は、普通ではない部分に目を向けることで本質が見えてくることがあるという。正しいものほどつまらなく感じるのなら、正しくないことをしてみたらその分楽しくなるはずだというのだ。常識にとらわれて堅くなった頭を柔らかくするためには、常識外れの発想が必要。例えば、近年よく話題に上るAIが今以上に発達したらどうなるかを考えるとき、きっと自分の仕事は無くなるに違いないと思ってしまうとモチベーションが下がっていくばかりだ。逆に、面倒な仕事をAIがやってくれるようになったら自分はどんな働き方をしようか、人間にしかできないことは何かなどという発想ができたら、新しい働き方も生み出せるしモチベーションも保てる。パソコンが普及したときのように、新たな仕事や働き方を作り出すことができれば、ビジネスとしても成功もするはずだ。

文=大石みずき