こんな絵本見たことない! ゆるさがクセになる、大人気「ノラネコぐんだん」と50音を学べる絵本

文芸・カルチャー

2017/4/27

『ノラネコぐんだん あいうえお』
(工藤ノリコ/白線社)

ふてぶてしい表情に太めの体型、自由すぎる言動のノラネコたちが、なんともいえない魅力を放つ工藤ノリコさんの絵本シリーズ「ノラネコぐんだん」(白泉社)をご存じだろうか。

2012年に第1作『ノラネコぐんだん パンこうじょう』が刊行されて以来、これまでにシリーズ累計50万部を突破。キャラをあしらったグッズも販売され、コラボカフェ「NORANEKO COFFEE」が各地で開催されるなど、子どもだけでなく大人女子の間でもじわじわと人気を呼んでいるヒットタイトルだ。

4月27日に刊行されるシリーズ最新作『ノラネコぐんだん あいうえお』は、おなじみノラネコぐんだんとともに50音を楽しく学ぶことができる知育絵本。

本を開くとまず目に飛びこんでくるのは、にぎやかに描きこまれたたくさんのキャラクターである。何匹いるのか分からない多数のノラネコぐんだんはもちろん、うさぎ、さる、パンダなどの動物たちが見開きページせましと遊びまわっている姿は、眺めているだけで心が躍る。

本書はあ行から順番に、見開き2ページで身のまわりのものの名前を紹介していくという内容。たとえば「あいうえお」を扱ったページでは、「あさ」「あくび」「いわし」「うた」「エクレア」「おしぼり」など、「あ・い・う・え・お」で始まるものをたっぷりと紹介する。カラフルで柔らかいタッチのイラストとともに、身のまわりのものの名前を自然に覚えられる作品に仕上がっている。

「ノラネコぐんだん」シリーズ既刊4冊とは違ってストーリーのある絵本ではないが、キャラクターの自由でお茶目なふるまいはむしろこれまで以上。ながぐつを履いたノラネコが南極で震えていたり、コブラとキングコブラにはさまれて「こわい」と感じたり、ノラネコとたぬきが月夜に宴会をしていたり…というユーモラスなシチュエーションはいかにもこの作者らしい。

子どもにはどうやら、身のまわりのものの名前が気になってしかたない時期があるようだ。わが家にいる2歳の息子がまさにそう。ことあるごとに「あれは?」「あれは?」と訊ねてきて、ちゃんと教えるまで解放してくれない。

この絵本はそんな時期の子どもにぴったり。「きっぷ」「すべりだい」「トマト」といった普段目にするものから、「つまみぐい」「ほっかむり」といったこのシリーズならではの単語、「つなわたり」「にせもの」「ゆきおとこ」などややマニアックな語まで幅広くカバーしているので、子どもの知りたい欲求に120パーセント応えることができそうだ。これで何を聞かれても大丈夫!

日本語の響きにあらためて親しみたいという大人、日本語を勉強中の外国人にもお勧めしておきたい、ゆるーいのに懐の深い一冊である。

文=朝宮運河