家庭にある○○1滴で花が長持ち! いつもより可愛く飾る「フラワーアレンジメント」のコツ
更新日:2017/5/4
大ブレイク中のお笑い芸人、ブルゾンちえみの「お金がなくても、花は買お?」という言葉に、心打たれた乙女も多いのではないでしょうか。ちえみいわく、女子力高めるためには、お家にお花を飾るのがマストみたいです。
でも、現実問題、生花って結構高いんですよね。しかも、数日のうちに枯れちゃうのを考えると、次々新しい花を買うのもコスパが悪いような……。
安いお花を可愛く飾り、なおかつ長持ちさせる方法ってないのでしょうか? いや、きっとあるはず。というわけで、6月発売の『3ステップ上達法 はじめての花の活け方 いけばなとフラワーアレンジメントのプロから愛される花屋に学ぶ』(誠文堂新光社)の著者であるフラワーアーティストの永塚慎一先生に、ご教示賜りました!
■550円のキッチンブーケをコップに飾るとこんなに可愛い!
――さっそくですが、先生。安いお花を可愛く活ける法を教えてください!
駅前の花屋で購入した550円のブーケを持参。
「これはいわゆるキッチンブーケですね。基本的には、きちんとデザインされているのでこのブーケのまま花瓶に活けてあげれば問題ありません。口の広い器だと花がまとまりにくくて散らばっちゃうので、口がすぼまった花瓶を使うのがオススメです」
――そうなんですね。私今まで、わざわざブーケをバラして飾ってました。だからバランスが悪くなっていたんですね。
「そうだと思います。ただ、このブーケの場合、ガーベラの後ろに、咲きかけの薔薇が隠れちゃってますよね。せっかくこれから花開くのにこれじゃ勿体ないです。なので、このブーケはいったんバラしちゃいましょう」
――あ、ではせっかくなので、口の広いコップに活ける方法を教えてください!
「コップのように口が広い器に飾るときは、爪楊枝や竹串を使って安定させるといいです」
――本当だ。茎に刺すと安定しますね。
「このグリーンも、ぺっちゃんこに折れているでしょ。だから、こうやってふんわり巻いて、ホチキスで固定しちゃいましょう。バラを手前に出して、片側にガーベラを飾ります。空いた空間にかすみ草を入れるとこんな感じになります」
――あっという間にまとまりましたね! 濃いオレンジのガーベラを下にしていますが、これは何か意味があるんですか?
「濃いオレンジを上にすると、ちょっと強烈になりすぎちゃうんです。だから、あえて下にしました。ガーベラの高さを変えて動きを出すのもポイントですよ。あ、ちなみにピンク系の花よりも、オレンジ・黄色系の花のほうが初心者向きです」
――どうしてですか?
「サーモンピンクとショッキングピンクのように、ピンクって色の幅がすごく広いんですよ。だから、意外と組み合わせるのが難しかったりします。それに比べてオレンジや黄色は色の幅がそこまで広くないので、適当に合わせてもまとまりやすいんです」
―― 初めて知りました。初心者は黄色を選ぶって覚えておきます。
■お皿に平らに飾って、ホームパーティーアレンジ!
――ちなみに、お皿に活けることも可能だったりしますか? お花を平らに飾るのってなんだかオシャレな感じがしますよね。
「平らすぎる器だと、水が張れないという難点があります。なので、もし飾るなら“フローラルフォーム”という、お花用の吸水スポンジを使うといいと思います。100円ショップにも売ってますよ」
――水を吸わせたフローラルフォームに、お花を挿すというわけですね。でも、これが見えてしまうと格好悪いですよねぇ。
「そう。なので、こんな風にグリーンを巻いて、半分くらいスポンジを隠してしまいましょう」
――おおっ、フォームが見えなくなりましたね!
「あとは、余分な茎や葉っぱを切って、フォームを隠すように活けていくだけです。色鮮やかなガーベラは、あえて切らずに高さを出すと、よりデザイン性が増しますよ。ついでに、小石を並べてみましょうか。ホームパーティーとかで、こういうアレンジメントがテーブルの上にあったら華やかですよね」
―― すごーい! 550円には見えませんね! 先生、1つ質問なのですが、下のグリーンとピンクのお花は、どこに気をつけたらこんな風にバランス良い色合いになるんですか?
「コツは、“色をまんべんなくちりばめて入れない”こと。同じ色どうしをまとめると、全体のバランスがとりやすくなります。なので、色をちりばめないでまとめるよう意識するといいですよ」
■スプレー咲きの花を一輪挿しに活けると、コスパ良し!
――一輪挿し用に、こんなお花を買ってきたんですけど、どうでしょうか? 青くて夏っぽいかなって思って選んじゃいました。
「通常であれば、一輪挿しにはガーベラや薔薇など、花が1つポンと咲いてるものを選びますね。こういう、スプレー咲きの花は、あんまり選ばないかもしれません」
――そ、そうなんですね。
「ですが、今回のテーマは“安く・可愛く”なので、むしろスプレー咲きのほうがコスパはいいかもしれません。まずは、適当にお花をバラしてみましょう。それから、100円ショップの一輪挿しに、活けてみます」
――いい感じになりました!
「一輪挿しの場合は、茎を短く切りすぎないように気をつけてくださいね。余っていた花は、あえて花の部分だけを残して生けてみました」
―― 器が変わるだけで、かなり印象が変わりますね。これ、お花を器に沿ってただ並べただけですよね?
「そうです。両脇にグリーンとつぼみを置いてあげると、花の色がグッと引き立ちますよ」
――スプレー咲き1つで、3つもアレンジメントができました。450円で家の中がすごく華やかになります!
■花を長持ちさせるには◯◯を一滴垂らせばOK!
――先生、花を長持ちさせるコツってあるのでしょうか?
「キッチンハイターを一滴垂らすといいですよ」
――えっ、キッチンハイターですか?
「花がすぐダメになるのは、バクテリアの繁殖が原因なんです。なので、抗菌作用のあるキッチンハイターを垂らすことで、花が長持ちするんですよ。中性洗剤でもいいですが、泡立っちゃうので、あまりオススメしないですね」
――そんな簡単なことで、お花が長持ちするんですね~。
「はい。あとは毎日、茎の先端を切って水揚げをよくすること、水を換えてあげること。この2つが基本ですね。あとは、これからの季節、クーラーの風が直接当たらないように気をつけてくださいね」
――先生、今回はありがとうございました。今日からさっそくお家にお花を飾りたいと思います!
取材・文=中村未来(清談社)
●取材協力 永塚慎一
数々のフラワーデザインコンテストにて入賞・優勝。農林水産大臣賞、県知事賞など受賞多数。ニューヨークフィルハーモニー来日公演、ダライラマ法王来日式典装花などあらゆる分野で装飾を手がける。現在、大和生花店専務取締役、Nフラワーデザインスクール主宰を務める。