その疲れ、身体ではなく脳かも…ぼーっとしているだけでも疲労は蓄積する!?

暮らし

公開日:2017/5/16

 17万部を突破し、日本におけるマインドフルネスブームの火付け役ともなった『世界のエリートがやっている最高の休息法』のCDブック版、『脳疲労が消える 最高の休息法[CDブック]』が2017年5月17日(水)に発売される。

 Google、Facebook、インテルなど世界的な有名企業が研修で取り入れていることでも話題のマインドフルネス。昨年から「NHKスペシャル」「サイエンスZERO」「ためしてガッテン」「世界一受けたい授業」などのテレビ番組で続々と取り上げられ、日本でも注目度も急上昇。その火付け役ともなったのが、『世界のエリートがやっている最高の休息法』だ。

「なんにもしてないのに疲れが取れない」「集中力が続かない」「たくさん眠っても疲れが取れない」といった「疲労」は、身体ではなく脳の疲れだと著者の精神科医・久賀谷亮は解説している。その「脳疲労」が消える効果的な方法として、前作では久賀谷のクリニックでも治療に取り入れているマインドフルネスを紹介して大きな話題に。しかし、「やり方がわからない」「これって合ってますか?」という疑問、質問が多数あったことから、それに応える形でCD付きの同書が登場。もっと気軽にマインドフルネスを実践できるようになっている。

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 そもそも脳疲労とは、休日に睡眠をたっぷりとったり、温泉やお風呂に浸かったりしてケアできる身体の疲れと違い、しっかり身体を休めても、知らないうちにどんどん溜まっていき、ひどいときには心の病に至ることもある。たとえば、「特に何もしていないのに、なんだかいつも疲れている」「休日にたっぷり寝ても月曜日の朝は頭が重たい」などの症状に心当たりがある人は、もしかしたら脳疲労が疲れの原因かもしれない。

 実は脳は体重の約2%を占めており、1日の全消費エネルギーの20%を消費している。たった2%なのに20%ものエネルギーが必要な大食漢。なぜそんなにエネルギーが必要なのか? それは脳の複数の部位から構成される「脳回路」=DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)が、常に働いているからではないかと言われている。

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 これは例えるなら自動車のアイドリングのようなもの。ぼーっとしているつもりのときでも、脳は常にエンジンがかかっていてエネルギーを消費している。そしてこのDMNのエネルギー消費量が、脳全体の消費エネルギーのなんと60%~80%にものぼるという。「脳疲労」を改善するには、このDMNの過剰な活動を鎮めればいい。

 脳疲労の最大の要因でもあるDMNの過剰な活動を鎮めるための方法が「マインドフルネス」。マインドフルネスをひとことで表現するなら、「瞑想をベースにした脳の休息法」。「瞑想」が持つ従来の宗教的イメージを排除し、脳科学的なアプローチで研究され世界中から注目されている。これまでの「瞑想をすると頭がクリアになった気がする」という「なんとなく」の感覚を、なぜそう思うのか、そのとき脳はどうなっているのか、など脳科学の分野から解明。現在、老化やダイエットなど様々な方面での効果も注目を浴びている。

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 付属CDをたった10分聞くだけで頭がスッキリするので、ちょっとした隙間時間で「脳疲労」を解消してみてはいかがだろうか。

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久賀谷亮(くがや・あきら)
医師(日・米医師免許)、医学博士。イエール大学医学部精神神経科卒業。アメリカ神経精神医学会認定医。アメリカ精神医学会会員。日本で臨床および精神病理の研究に取り組んだ後、イエール大学で先端脳科学研究に携わり同大学で臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年間にわたり従事する。そのほか、ロング・ビーチ・メンタルクリニック常勤医、ハーバーUCLA非常勤医など。2010年、ロサンゼルスにて「TansHope Medical(くがやこころのクリニック)」を開業。同院長としてマインドフルネス認知療法やTMS磁気治療など、最先端の治療を取り入れた診療を展開中。臨床医として日米で25年のキャリアを持つ。脳科学や薬物療法の研究分野では、2年連続で「Lustman Award」(イエール大学精神医学関連の学術賞)、「NARSADYouung Investigator Grant」(神経生物学の優秀若手研究者向け賞)を受賞。主著・共著合わせて50以上の論文がある。学会発表も多数。

※掲載内容は変更になる場合があります。