身近な食材でいつものメニューをさらに美味しく! “スパイスの魔術師”が作る「柚子・黒胡椒・生姜のごちそう」【作ってみた】

食・料理

2017/5/18

ぴりふわつーん 1 柚子・黒胡椒・生姜のごちそう』(青木幸子/芳文社)

 香辛料やハーブ、香草を使うと、ピリッとしたり、爽やかになったりと、いつもの料理が新しく生まれ変わる。しかしスパイス系の調味料は種類が多く、一度は張り切って揃えてみても、結局使い道が分からず余らせてしまった、という話もよく聞く。

 そんな人にオススメしたいのが、『ぴりふわつーん 1 柚子・黒胡椒・生姜のごちそう』(青木幸子/芳文社)という漫画に出てくる、身近な食材を使ったスパイス料理。本書に登場する、「スパイスの魔術師」を目指している主人公・柚子原香は、柚子や黒胡椒、生姜などなじみ深い食材で料理にアクセントを加えていく。

 描かれている料理は、どれも「食べてみたい!」と思わせる魅力的なものばかり。そこで、本書内の料理を実際に作ってみた。

■第1話「夏美でもできる柚子マヨネーズ」


 1つめは、柚子原が住み込みで働いている芳賀亭の大家と、その娘を仲直りさせた「夏美でもできる柚子マヨネーズ」。夏美と父親である芳賀は、夏美が幼い頃に離婚して以降会ってなかったが、ある日突然、芳賀から彼女の家に柚子が送られてきたのだ。送られてきた柚子は、芳賀家の思い出が詰まっている特別なものだった。その柚子を使用したマヨネーズ。

 卵黄、塩、柚子果汁、はちみつ、柚子の皮のすりおろしを泡だて器でしっかりと混ぜ、そこに少量ずつグレープシードオイル(もしくはサラダ油等)を加えてもったりとするまで混ぜれば完成。本書同様、野菜スティックにつけて食べてみた。

 柚子の香りがふわっとくるお手製マヨネーズは、味がしっかりとしていて、野菜と合わせるだけでご馳走になる。この一品がきっかけとなり、過去のすれ違いについて話し合い、夏美の両親は再婚することになった。

■第4話「芳賀シェフの黒胡椒オムライス」


 2品目は、お客さんである建築家・三好と、歳の離れたその弟、そして弟の元カノであり三好の部下である女性の仲を取り持った「芳賀シェフの黒胡椒オムライス」。

 溶かしバターを入れ熱したフライパンに溶き卵を入れ、かきまぜながら火を通して生黒胡椒小さじ1を加え、卵をとじる。レモンを搾って黒胡椒を散らしたバターライスの上に卵をのせ、ナイフで切り広げれば完成。生黒胡椒がなかったので、黒胡椒を塩水に漬けて戻したものを使用した。

 黒胡椒のピリッとした刺激とレモンの酸味、バターの香りが、とろとろの卵、ご飯と絡み合う。オムライスなのに後味が爽やかで、普通のオムライスに飽きた人にぜひ試してほしい。
黒胡椒は、柚子原いわく「勇気凛々の香辛料」。それぞれが勇気を出して思いを打ち明け、弟と女性は新しい一歩を踏み出すことができた。

 このように、柚子原の作るスパイス料理は、ただ美味しいだけでなく、人と人を繋いでいく、人間関係のスパイスにもなっている。「スパイスの魔術師」を目指して日々スパイスを研究している柚子原だからこそ、魅力を最大限引き出し、食べる人の心に届かせることができるのだろう。

 この『ぴりふわつーん 1 柚子・黒胡椒・生姜のごちそう』に出てくる料理から分かるように、スパイスとなる食材は身近にもたくさんある。いつもの料理に変化をつけたいけど、使い切れないスパイスを買うのはちょっと……という人は、まずは身近なものから試してみては?

文=月乃雫