「金持ち老後」と「ビンボー老後」の違いは? 理想的な老後資金は8776万円!? 賢く老後を生きる方法

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公開日:2017/5/18

『月収20万円でもOK! 「金持ち老後」は手に入る!』(『PHPくらしラク~る♪』編集部/PHP研究所)

 お酒が好きだ。いや、大好きだ。愛していると言ってもいい。一人で映画やアニメを見ながらチビチビと嗜むのもいいが、やはり気が置けない仲間たちとワイワイやるのが最高だ。そして、悲しいかな。ふと財布に目をやれば中身は軽くなっていく…おかしい! どこかで落としたか? と考えるも、思い返せば自分がしっかり飲み代で支払っているものだ。

 我ながら、実にだらしない。おそらく今後、保険料は引き上げられるだろうし、年金が現状通り支払われない可能性もある。“貧困老人”という言葉が生まれるほど、世知辛い世の中だ。老後の自分はさぞ困るだろう。漠然とした不安はある。でも、どこかで何とかなるだろう…という甘く考えている自分もいる。

 この記事を読んでいる皆さまであれば、もうおわかりだろう。これがダメ人間の黄金パターンであることを。しかし、こんなダメ人間にだって素敵な余生を過ごしたいという願望はあるもの。ここで一念発起を! と考え手に取ったのは、『月収20万円でもOK! 「金持ち老後」は手に入る!』(『PHPくらしラク~る♪』編集部/PHP研究所)という一冊。この本では「家計」「脳科学」「片付け」「占い」など、あらゆるジャンルのスペシャリストたちが「金持ち老後」と「ビンボー老後」の差を伝授してくれるという。つまり、これを実践すればお金に困らない老後が…。

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 ところで、老後への準備資金はいくら必要なのだろうか。本書によれば、月の支出額は夫婦合わせておよそ27万円で、定年退職する前の7割程度。そして、それとは別に介護費・医療費など別に1000万円があれば理想的とのこと。老後を24年と仮定すると、8776万円必要となる。つまり年金受給・退職金を上手くやりくりする、というだけでは夫婦で正社員として勤めあげなければ赤字となる計算に。定年退職を迎える前にある程度の蓄えが必要ということだ。

 上記は会社員として働いていた人の計算であり、私のようなフリーランスで働いていれば年金受給額は会社員の半分以下。個人事業主はさらに厳しい戦いが強いられそうだ。

 本書では、どんな支出が多くなっているのかを知ることができる「性格別 お金に強くなるヒント」が記載されており、質問項目をチェックするだけで診断可能だ。試しにチェックしてみると「アクティブ」タイプに。特徴は友人との飲み会・会食が支出を圧迫する傾向にあり、なんとなく散財してしまうタイプなのだそう。もう、そのままだなと納得…。他にもタイプ別にお金を貯める対策も記載されている。「アクティブ」タイプは貯金用に新しい通帳を作り、ゲーム感覚で貯めるといいらしい。特に費用がかかるわけではないので、やってみるのもいいかもしれない。

 そして、毎日必要な分だけ買う人と、まとめ買いする人ではどちらが賢いのかという記載が興味深かった。まとめて買ってしまうと使いきれず食材をダメにしてしまうことがある。だから個人的にはまとめ買いよりもその都度買った方がいいのではないかと考えた。本書によると毎日買い物に出かけた場合、安売り・特売品などがあると、そちらに目が行ってしまう。そのため、余計なものを買ってしまうという。確かに一理ある。買うつもりのなかったものまで買ってしまうのは、コンビニなどでも一緒だ。もちろん、「買わない」という強い意志があればいいのだが、ついつい無駄なものを買ってしまう。それなら、まとめ買いも一つの選択肢だ。

 上記以外にも苫米地英人氏の「『金持ち脳』に変える習慣」や、占い芸人として人気を博すゲッターズ飯田氏のリッチになれる風水など盛りだくさん。全て実行するのは難しいので、気になったものを少しずつ実践していくのが賢い使い方だろう。とりあえず、この原稿を書きながら、お酒の量は減らさねばならないと心に誓った。お金はもちろんだが、健康のためにも…。

文=冴島友貴