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あなたのイメージは大丈夫? 小池百合子に学ぶ「一流の魅せ方」

 このところ、内政が揺れている。現閣僚の失言が頻発し、撤回や謝罪、弁明が連発している。かつて、国会議員に当選し、総理大臣からの任命で“さらに選ばれた”立場なのに、どうして、このようなことが起こるのか。数々の不穏な発言から透けてくる考え方に、有権者は理解どころか、疑問や怒りしか浮かばない。国民の代表ではなかったのか。選挙戦では“自分の魅せ方”に徹底的にこだわって、人望を集めたはずなのに。著者も言っている。

政治家にとって言葉は命です。

 本書『会う人すべてがあなたのファンになる 一流の魅せ方』(鈴鹿久美子/大和書房)の著者は、永田町で議員秘書を15年も務めてきた。今は、そのキャリアを活かし“選挙戦略家”として、立候補者の身だしなみから発言まで作戦を立てる当選請負人だ。これまでも「会社をリストラされた49歳女性を、たったの6週間で政治家にした」実績を持つ。

 選挙は短期決戦だ。重要となるのは立候補者の「魅せ方」である。中身はもちろん大切だが、投票者を惹きつけるような魅力を持つことも、当選の重要な条件。著者は、一例として、東京都知事・小池百合子氏のキャリアによる“魅せ方”について次のように評している。

小池氏は「見られたい自分の姿」を魅せ続けて、政界を生き抜き、勝ち続けてきた女性です。
(中略)今、この状況で自分がどう見られているのか。
自分の成し遂げたい未来を手に入れるためには、どんな魅せ方が必要なのか。
普通なら雰囲気や噂に流されて決めてしまいがちなこの計算が、客観的かつ丁寧になされているのです。

 また、選挙のエキスパートである著者だからこその、有名政治家の面々とのリアルな触れ合いのエピソードも記され、“魅せ方”とは、ある種、戦略には違いないのだが、それだけではない部分についても考えさせられる。
好感度が抜群に上がる「一流の魅せ方」とは?「1秒で好かれる技術」とは? 多くの選挙戦を勝ち抜き、政界進出の実績に基づいたノウハウが詰まっている。それは同時に、商談や接客、面接や恋愛などの、日常の対人関係に応用できるメソッドにもなっている。

 第5章の“人生は「選挙」である”は、政治家だけではなく、人が目標に挑戦していくための心構えが、著者の半生とともに綴られている。きっと、読み進めるうちに、自分の胸に手を当て、正直な気持ちを押し殺して日々過ごしていないかと、問いかけてみたくなるはずだ。人生とは誰のものか。食べたり、話したりする“自分の口”にはどんな役目があるのか。本物とは何なのか・・・・・・。「選ばれる人になりたい」という人も、逆に「自分の選択は正しいのか」と疑問を感じている人も、自分の気持ちがどこに向かえばいいのか、再確認を図ることができそうだ。

 政界や芸能界だけではなく、どんな世界も、強烈なキャラクターや個性の自分を、素早く印象付けできる人がいる。いわば、一見「魅せたもの勝ち」の時代。けれど、人を魅了するためには、表面だけを磨いて見せても、薄っぺらなメッキはすぐに剥がれ、“見せかけ”とわかってしまう。二流と判断されるだろう。一流の人気者は、誠意や信条を臆することなく表しながら、常に“見られ方”を意識し、また人知れず、日々、研鑚している。それがやがて、周囲からの信頼を集めていく。“魅せ方”とは、決して生まれつき備わった天性のものではなく、自分が生きる世界でコツコツと培ってきたものなのだ。

 一方、短期間で当選できる人は、自分自身の棚卸しを正直にやった人。自分の内面を客観視して“魅せる”ことができる人が、一流へと成長していく。その手掛かりを教えてくれる一冊である。

 自分をどう魅せるのか。探求し、実践することが、人生での連続当選への道標となるだろう。

文=小林みさえ



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