新年度、スタートダッシュしすぎた方に…ここを超えたらキケン?! デッドラインの百科事典

社会

2017/5/23

『DEATH(デス)ペディア イラスト図解 人はどこまで生きてられるのか?』(上野正彦・高木徹也:監修/宝島社)

 「ヤバい、死にそう……」と、誰でも一度は口にしたり思ったりしたことがあるのではないでしょうか。

家にいてもコンセントからの感電によりショック死する可能性がありますし、雨の日に電車に乗れば滑って頭を打って死ぬ可能性もあります。

死は私たちのまわりに常に潜んでいて、実はとても身近な事柄なのです。

DEATH(デス)ペディア イラスト図解 人はどこまで生きてられるのか?』(上野正彦・高木徹也:監修/宝島社)の冒頭で、ビルの4階から飛び降りても足から着地すればなんとか大丈夫なんじゃないかと、自分は不死身であるかのように余裕綽々の若者・ノボルくんに、死神のしぃちゃんは「99%死んじゃいます!」と警告を発します。

『DEATH(デス) ペディア イラスト図解 人はどこまで生きてられるのか?』(宝島社)P48より

『DEATH(デス) ペディア イラスト図解 人はどこまで生きてられるのか?』(宝島社)P49より

 本書は、何万という人の遺体と向き合ってきた医学博士・法医学者によって監修されており、「エレベーターに密閉されたら○○時間いきてられる」「水だけで生きていられる限界は連続○時間」など、そうなりたくないけれど、そうならないとは完全否定できない状況や、「泳ぎのプロでも浅瀬で溺死してしまうのはなぜ?」「人はあの臓器なしで生きていけるのか?」など、ちらっと聞いたことがある事柄についてまで、多様なアプローチで死を考察しています。イラスト付きで死について説明することについて、おちゃらけているように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、本書の冒頭でノボルくんはこうマジメにつぶやきます。

死は身近なことなのに なぜ僕らは 死のことについて あまり知らないのだろう?

 このように、本書の狙いはトリビアの提供よりも、どちらかというと死をより身近に感じてもらうことにあります。皆さんが死について意識したのはいつでしょうか。最後に、私自身の「死、胸キュンエピソード」(死のことを考えすぎて、胸が締め付けられ、怖くなった思い出のこと)をご紹介します。

 『ドラえもん』の話の中で、何でも個数を倍にできるバイバインという道具が登場する回があります。栗まんじゅうをたくさん食べたいのび太は、バイバインで個数を増やします。ところが、尋常ではない数まで栗まんじゅうが増えてしまいます。ドラえもんは仕方なく、小型ロケットで栗まんじゅうを宇宙空間の彼方に放ちます。算数で掛け算を習いたてだったことが災いし、栗まんじゅうというごくごく身近な存在が地球上・宇宙上を埋め尽くし、自分はその下敷きになっているイメージが私を恐怖に陥れました。「増え続けて、増え続けて、一体いつ終わりが来るのだろう?」と、突如死の恐怖を感じたのを今でも覚えています。

 いつの日か死者の側に加わる私たちにとって、よりよく生きるために、敢えて「死ぬ」ということについて考える。働きすぎだと自覚がある方だけでなく、お子さんがいる方にも、死を気軽に話し合うネタにすることができる貴重な一冊です。

文=神保慶政