『僕はホルンを足で吹く』―両腕のないホルン奏者、フェリックス・クリーザーが世界トップクラスになるまで

社会

2017/6/8

 両腕のないホルン奏者、フェリックス・クリーザーの自伝『僕はホルンを足で吹く~両腕のないホルン奏者 フェリックス・クリーザー自伝~』が2017年6月16日(金)に発売される。

 著者は生まれつき両腕がない。だが両腕がないことを除けば普通の子どもだった。神童でもなかった。彼がホルンに出会ってから、いかにしてプロの演奏者となり世界を席巻したのか? 血のにじむような努力の結果プロからも大絶賛を受けるほどの演奏技術を身につけ、2014年には「エコークラシック2014 最優秀新人賞」を受賞、さらに2016年には「レナード・バーンスタイン賞」を受賞した。

 同書では、いま世界で最も注目されているホルン奏者のひとりであるフェリックス・クリーザーが自らの生い立ち、哲学、練習法、音楽への向き合い方などを語っている。

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腕のない生活は大変なこともある。ただし腕がないことが原因ではない。ほかの人と同じように歯を磨けるし、車も運転できるし、スマートフォンをいじくることもできる。仕事もあるし、20歳のはじめから世界中を回ってキャリアを積み、うまく行っている。腕のない生活の大変さは、その生活を送ることではなくて、他人との関係なんだ。つまり、強調されたり、引き立たされることなく、名前を呼んでもらう。決まり文句の中に押し込められることなく成功を祝う。四肢の数ではなく業績によって評価される。障害があるからこそ、そういうふうには扱われないんだ。フェリックス・クリーザー

 さらに著者は「問題を解決するときは、他人をあてにするのではなく自分で処理するということだ」と語る。脅威の足技が生まれた著者の努力から学ぶことが数多くあるかもしれない。

フェリックス・クリーザー
1991年にドイツのゲッティンゲンで生まれ、13歳からハノーファー音楽大学でレッスンを受ける。サー・サイモン・ラトル、マリオ・ヴェンツァーゴ、デニス・ラッセル・デイヴィスといった指揮者と共演し、またロックのレジェンドであるスティングがドイツで公演を行った際に共演。2013年にはデビューアルバム「Reveries(夢想)」を発表し、高い評価を得た。

セリーヌ・ラウアー
1989年にドイツのザールラント州で生まれ、アクセル・シュプリンガー・アカデミーで実習生をした経験を持つ。「ヴェルト」「ヴェルト日曜版」「ツァイト・オンライン」に記事を書く。ZDF(Zweites Deutsches Fernsehen<ドイツ第2テレビ放送>)などでソーシャルメディアやデジタル・ストーリーテリングをテーマにした講座を持っている。大学ではヨーロッパの民俗学と社会科学を学ぶ。現在はベルリン在住。

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