【2017年秋アニメ】まさかの宝石の擬人化!? 美しさとシリアスの入り混じる不思議な世界『宝石の国』

アニメ・マンガ

2017/9/25

『宝石の国』(市川春子/講談社)

 夏アニメも次々と最終回を迎え、秋アニメが始まるこの季節。アニメ好きなら、次は何を観ようかと、CMや公式サイト、ニュースなどで情報収集をしている頃だろう。そんなアニヲタの1人としてPVを観て回っていたら、気になるアニメを発見した。2017年10月7日から放送が開始される、『宝石の国』というアニメだ。

 原作『宝石の国』(市川春子/講談社)は、講談社が刊行している月刊誌『月刊アフタヌーン』で連載されているコミック作品。単行本は、現在7巻まで発売されている。宝石の身体を持つ28人が、彼らを装飾品にしようと襲ってくる、「月人」と呼ばれる狩人と戦っていく物語だ。

 そんな本作品の、TVアニメ版のPVはこちら。


 主人公たちの身体は宝石でできており、髪と瞳がキラキラと輝いている。宝石によってそれぞれ硬度や靭性が違い、性格も特技もそれぞれ。原作によると、彼らは肌の部分にお白粉を塗っているらしく、白い肌に透き通るような宝石の色がよく映えて非常に美しい。PVでは、映像になることで彼らの特徴や美しさがより際立っている。

 宝石たちは、かつては「にんげん」がいたとされる世界に生きているが、その時代の生物たちは海中でインクルージョンと呼ばれる微小生物に分解されて無機物化し、今はいない。そんな中で長い年月をかけて生まれたのが、彼らのような宝石の身体を持つ人型の「宝石たち」だったのだ。つまり彼らは、まったくの異世界の生物ではなく、遠い未来の「にんげん」の姿として描かれているのだ。地球に何があったのか、「月人」とは何なのか、月人に飼われているという軟体生物「アドミラビリス族」とは一体……? また、宝石たちをとりまとめている、「金剛先生」と呼ばれる僧侶の正体は? と、読めば読むほどこの世界観に、術中にはまっていく。

 また、宝石たちの体内にはインクルージョンが寄生しており、その力のおかげで、壊れても破片が揃えば生き返る。そのため彼らの寿命は非常に長く、不死だとされている。死の概念がなく、最年少であるフォスフォフィライトでも300歳、最年長のイエローダイヤモンドは3500歳を超えているらしい。長い年月をかけて作られた、宝石としての絶対的な強さと、無機物ならではの不変を感じる。

 PV中でも、彼らが月人に破壊され、再生するシーンが多数登場する。その様子は儚く脆く、それでいて強く、幻想的で美しい。割れた断面は血が通う肉体ではなく、宝石そのもの。普段は人と変わらない動きをする彼らだが、壊れて破片となると動きを止め、宝石としての硬い鉱物と化すのだ。先ほども述べたように彼らは実際に死ぬわけではないのだが、そのしなやかさとパキッとした硬さ、「動」と「静」が、生と死を強く感じさせる。それを繰り返す彼らを見ていると、何とも不思議な感覚に陥る。

 TVアニメ『宝石の国』は、監督を『ラブライブ!』などで有名な京極尚彦、アニメーション制作を『創聖のアクエリオン』や『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の3DCGを手掛けているオレンジが担当しており、原作ファンはもちろんのこと、多くのアニメファンが注目している。月人とは一体何者なのか、どういう展開が待ち受けているのか、放送への期待が高まる。最近流行りのメジャーなアニメとは少し違う、独特の世界、描写を、ぜひ原作とともに覗いてみてほしい。

文=月乃雫