「ようやくガンになった」原因不明の大量吐血、肝炎、糖尿病、白内障、そして肝ガン…『病気自慢 からだの履歴書』

暮らし

2018/1/23

 ガン闘病中の人気エッセイスト・玉村豊男が病気遍歴を軽妙に書き下ろす、『病気自慢 からだの履歴書』が2018年1月16日(火)に発売された。

 同書は、肝ガンが見つかり、現在も検査・治療中の玉村が、自らの病気遍歴を軽妙なタッチで綴った一冊。外反母趾、肥満、交通事故による頭部挫傷と左耳裂傷、原因不明の大量吐血、肝炎、アレルギー、糖尿病、胃潰瘍、痛風、白内障、そして肝ガン。37歳から72歳までの36年間に、8つの病院に14回入院した「病気の自慢話」は、エスプリとユーモアで溢れている。

・ようやくガンになった。これで自分にも、少しは病気を自慢する資格ができたかもしれない。告知を受けたとき、まず頭に浮かんだのはそのことでした。

・私の遺骨は、ブドウ畑に散骨してもらいたいのです。…散骨する場所は、一九九二年に植栽したヴィラデストのいちばん古いブドウ畑にしてください。…この畑の古い樹に生るブドウからは、ヴィラデストの旗艦ブランドである「ヴィニュロンズ・リザーブ」のワインがつくられていますが、私の骨のカルシウムが加われば、その年以降のヴィンテージはおいしさも一段と増すに違いありません。ですからこのワインは「玉村豊男粉骨砕身畑」の特別バージョンとして、ふつうのリザーブより少し高く売ってもいいかな…とも思うのですが、そこまで遺言で指示するのは行き過ぎでしょうか。

・肝炎が治ったら、肝ガンになった。右のパンチをよけたら左からパンチを食らったようなものですが、精密検査の結果として診断が確定されたときは、来るべきものが来た、という感慨とともに、なぜかさっぱりとした、心の重荷が下りたような気がしたことを覚えています。本文より

 軽妙な文体の奥には、死と向かい合い、日々の暮らしを生きる玉村の真摯な姿勢が感じられるはず。

玉村豊男(たまむら・とよお)
エッセイスト・画家・ワイナリーオーナー。1945年東京生まれ。東京大学フランス文学科卒。1968年パリ大学言語学研究所留学。1972年より文筆業。1983年長野県軽井沢町、1991年同県東部町(現・東御町)に移住して農園を開き、2004年よりヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー開業。2007年元箱根に玉村豊男ライフアートミュージアム開館。2014年日本ワイン農業研究所を設立し、アルカンヴィーニュ(ワイナリー)を拠点とする千曲川ワインアカデミーを開講。1986年輸血後肝炎(C型肝炎)にかかっていることが判明。2015年投薬治療により完治するが、翌2016年肝ガンが見つかる。現在も検査・治療中。著書多数。

※掲載内容は変更になる場合があります。