ディーンがワイルドな“復讐鬼”に、ニノが天才外科医に——この春注目のドラマ原作本
文芸・カルチャー 更新日：2018/3/30
各テレビ局がドラマに最も力を入れ、高視聴率作品が数多く登場するといわれる4月期。2018年4月スタートの新ドラマも豪華俳優陣が熱演する注目作ばかり。本稿では、年度初めにテレビ局の1年間のゆくえを占う数々のドラマとそれにあわせて読みたい原作本5選を紹介しよう。
■新米検事を吉高由里子が熱演！ 阿川佐和子さん原作
エッセイ、小説、テレビ出演と幅広く活躍する阿川佐和子さん。昨年2017年には63歳にして念願の結婚をはたしたことでも注目が集まっている。そんな阿川さんが筆を執った小説『正義のセ』が日本テレビ（読売テレビ）系列でドラマ化され、4月11日から放送される。
主人公・竹村凜々子（吉高由里子）は横浜地検で働く2年目の検事。不器用ながらもひとつひとつの仕事に懸命に取り組む姿は思わず応援したくなる。周囲を巻き込みながらもひとりの検事として、またひとりの女性として成長していく健気な竹村凜々子を演じる吉高由里子には注目が集まりそうだ。
■「花男」から10年後を描いた新シリーズ！
日本中を席巻した花男シリーズから10年、杉咲花、平野紫耀、中川大志らの主演でいまよみがえる“もうひとつの花男”、『花のち晴れ～花男 Next Season～』（TBS系列）。自分らしく生きることがテーマの痛快青春ラブストーリーだ。4月17日から放送開始。
資産家の子女たちが集う名門校・英徳学園から伝説の4人組“F4”が卒業しておよそ10年。失われていたかつての輝きを取り戻そうと、神楽木晴（平野紫耀）は幼馴染である平海斗（濱田龍臣）らと“C5”を結成し“庶民狩り”をはじめる。一方、江戸川音は大手化粧品メーカー「エド・クオリティ」の社長令嬢として学園に通うも、父親の会社が倒産し生活は一変。そんな江戸川音へ忍び寄る“庶民狩り”の手が…。
10年ぶりに繰り広げられる青春ラブストーリーからは目が離せないだろう。
■ディーン・フジオカが復讐の鬼に…『巌窟王』が現代によみがえる
日本では「巌窟王」の名で知られる名作。主人公のエドモン・ダンテスは長期間の投獄ののちに脱獄し、巨万の富を手にする。彼はその後モンテ・クリスト伯を名乗り自らを貶めた者たちの人生の歯車をひとつまたひとつと狂わせていく。
４月19日から放送される、本作品のリメイクドラマ『モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐―』（フジテレビ系列）は、冤罪により地獄に突き落とされた男の復讐劇。愛する女性、仕事、未来、自尊心を奪われた主人公の柴門暖（さいもん だん／ディーン・フジオカ）は、自らを陥れた者たちに対する復讐を華麗にこなしていく。
投獄中の柴門を演じるワイルドなディーン様と“復讐鬼”（柴門）という身分を隠した美しき別人を演じるディーン様、黒白両極端な役柄を華麗にこなすディーン・フジオカにも注目だ。
■家族のために復職する妻、理解を示さない夫。この夫婦の行く末は…
結婚生活の意味をわたしたちに問いかけ、現代日本の家庭事情を映し出す長編小説『あなたには帰る家がある』。本書は『プラナリア』で第124回直木賞を受賞した女性作家・山本文緒さんによる作品だ。本作品は4月13日からTBS系列で、中谷美紀、玉木宏、ユースケ・サンタマリアら豪華俳優陣が出演する金曜の連続ドラマとして放送される。
物語の舞台は少々大雑把な主婦・佐藤真弓（中谷美紀）と住宅販売会社で働く夫の秀明（玉木宏）、受験戦争を終え春から中学生となる娘の3人からなる平凡な家庭だ。生活の支えとなるよう働きに出る真弓とそれをよく思わない秀明。そんなとき自身が働く住宅展示場に現れた一組の幸せそうな茄子田夫妻に心を動かされた秀明は、ますます妻の真弓との溝を深める。茄子田綾子（木村多江）に惹かれはじめる秀明と家庭を守ろうとする真弓の関係はどうなっていくのか…。
■孤高の天才外科医vs.新任エリート医師がくり広げるプライドと信念の物語
『チーム・バチスタの栄光』の原点となる作品が、『ブラックペアン1988』だ。日本の医療現場で巻き起こるさまざまな問題を、エンタメを通じて世に広めてきた海堂尊の小説の数々は読む者みなを圧倒する。
TBSは本作品を連続ドラマ『ブラックペアン』として二宮和也主演で4月22日より放送する。二宮が演じる渡海征司郎は天才的な縫合技術をもつ外科医だ。大学病院にいながら出世に興味のない彼は、時折その傲慢な態度がきっかけとなり周囲と対立する。そんななか、彼が在籍する東城大学医学部付属病院に最新技術を備えた外科医を必要としない機器が導入されるとの情報が。これは単なる時代の流れなのか、それとも医療機器メーカーや厚生労働省などとの癒着が絡むのか…。
外科医役に初チャレンジの二宮和也の演技には目が釘付けになることだろう。
豪華俳優陣が演じる華やかな春ドラマ、気になる作品は、ぜひ原作本もあわせて楽しんでもらいたい。
文＝ムラカミ ハヤト
