こわもてなボスネコがたくさん! 岩合光昭氏の最新写真集『ネコおやぶん』

暮らし

公開日:2018/5/29

 NHK のBS プレミアムで放送されている「岩合光昭の世界ネコ歩き」でおなじみの動物写真の第一人者・岩合光昭氏が手がけた最新写真集『ネコおやぶん』(岩合光昭/辰巳出版)が発売された。

『ネコおやぶん』(岩合光昭/辰巳出版)

「おやぶん」をテーマにした本書には、日本や世界各地で暮らすボスネコたちのさまざまな表情が収録されている。作品内では「食いしん坊親分」「こわもて親分」「グータラ親分」「名物親分」といった章が設けられているため、個性豊かなボスネコの姿も楽しめる。

©Mitsuaki Iwago

©Mitsuaki Iwago

 これまでにも野生動物の撮影を数多くこなしてきた岩合氏は、ネコの中でも顔が大きく強そうなネコを特に好み、「親分さん」と声をかけながらシャッターを切ってきた。そんな岩合氏の優しさがたっぷりと込められた本書にはボスネコの荒々しさだけでなく、ネコたちの生命力や美しさも見事に写し出されている。

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©Mitsuaki Iwago

©Mitsuaki Iwago

 また、人間と共生するネコたちのユニークな姿が収められているのも本書ならではの魅力だといえる。イタリアではスパゲッティをすするネコがいたり、ハワイでは飼い主とともにサーフィンを楽しむネコもいる。そして、ニューオリンズのバーでは看板猫として暮らしているネコもおり、日本の青森では雪をかきわけながらたくましく生きているネコも。このように、世界各地でありのままに生きるネコたちの姿は人々に笑顔だけでなく、感動も与えるだろう。

 1匹1匹の猫たちに「いい子だね」と声をかける岩合氏の撮影スタイルは猫好きの間で話題になることも多い。そんな岩合氏の猫愛は野性味溢れる仕上がりとなった本書からもきっと、滲み出ていることだろう。

文=古川諭香

岩合光昭(いわごうみつあき)
1950 年東京生まれ。北極圏から南極圏まで世界各地を取材し、野生動物の姿を中心に大自然と生命のつながりをテーマとした撮影を続けている。2000 年から雑誌『猫びより』にて「岩合光昭の猫」を連載中。2012 年から NHK BS プレミアム「岩合光昭の世界ネコ歩き」の番組撮影を開始。主な猫写真集に『ネコと歩けば』『島の猫』『ねこ輝く』『岩合さんの好きなネコ』『ネコとずっと』(辰巳出版)など。