刺されたら一番痛い昆虫って? 100種以上の虫に1000回以上刺されてわかったこと

ライフスタイル

2018/6/13

 ハチとアリの知られざる一面を綴った昆虫記『蜂と蟻に刺されてみた―「痛さ」からわかった毒針昆虫のヒミツ』が、2018年6月8日(金)に発売された。

 同書は、「シュミット指数」を考案したジャスティン・シュミット博士による昆虫エッセイ。およそ100種類以上の昆虫に刺された経験を生かして、その痛みを毒液や生態と関連させながらハチとアリの知られざる一面を明かしていく。

「シュミット指数」とは、シュミット博士が自ら虫に刺された時の痛さを数値化した尺度。痛みの強度はレベル1からレベル4の4段階。セイヨウミツバチに刺されたときの痛みをレベル2として基準化し、痛みの強度を記録している。

 自ら刺されるというシュミット博士の研究スタイルは、「虫に刺されたがる物好き」と評されるほどインターネットでたちまち人気に。しかし実は他の人が刺されるように仕向けたり、もう刺されるのはうんざりとこぼしている。伝説のように語られるシュミット博士の意外な人物像が垣間見えるのも、魅力のひとつだ。

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「ミツバチに」刺されるのはもううんざりなので、刺されないように気をつけているからだ。なぜ、うんざりかって? ハローウィンのキャンデーをずっと食べていると、数日で飽きてくるように、いつも同じハチに刺されていると、そのうちいやになってくる本文より

会議の合間をみて、私たち「研究者」は数台のバスに分乗してカンガルー島を訪れた。その帰り道、ドライバーが道路沿いにあるブルドッグアリの大きなコロニーを指差して、バスを停めましょうかと言ってくれた。…よしチャンスだ…何気なく誘って、みんなにも刺されてもらおう本文より

 2017年に世間を騒がせたヒアリ。同書では、外来ヒアリの侵入をゆるしてしまったアメリカの事例が紹介され、日本にヒアリが定着したときに起きるであろう事態も綴られている。シュミット博士によれば、ヒアリは人間が乱した生態系に侵入してくるのだそう。

ヒアリにとって一番の相棒は人間…ヒアリという生き物は脚が六本生えた雑草のようなもの本文より

 強毒のアリとして報道されているヒアリだが、気になるヒアリの痛みはシュミット指数でレベル1。「刺されても大したことはない。…ミツバチよりも軽い痛み」と、予想を裏切る事実が明かされている。

 さらに巻末の付録では、ユニークな記述が魅力の「虫刺され痛み一覧」が付いている。その他にも素朴なギモンからクスッとするトリビア、実用的な知識、不思議な生態、深遠な進化の歴史までと豊富なラインナップ。同書を読めば、ハチやアリを見る目がガラリと変わるかもしれない。

<ハチ・アリ82種に刺されたときの痛さ一覧>(付録より)
・ヒアリ(レベル1):突然チクッとくる軽い痛み。真っ暗な部屋で照明を点けようとして、パイル地のカーペット上を歩いていたら、カーペット鋲が足に刺さったような感じ
・ホーネット(レベル2):ずしんとくる強烈な一撃。若干のきしみ感。回転ドアに指をつぶされたような
・シュウカクアリ(レベル3):悶絶するほどの激痛が12時間以上続く。筋肉組織が次から次へとヒト食いバクテリアに破壊されていくみたいに
・サシハリアリ(レベル4):目がくらむほどの強烈な痛み。かかとに三寸釘が刺さったまま、燃え盛る炭の上を歩いているような

<たとえば、こんなことがわかります>
・ハチに刺されないようにするには息を止める
・ミツバチとスズメバチ(イエロージャケット)の痛さはほぼ同じで、シュミット指数でレベル2
・刺される場所によって痛みは違い、舌をさされるとミツバチでも「死んだほうがまし」と思うくらい痛い
・ヒアリの巣を簡単に駆除する方法は、10リットルの熱湯を注ぐ
・スズメバチが農業の害虫駆除に役立っている
・刺されて一番痛い昆虫は、サシハリアリという南米のアリ
・ハチ・アリの毒は巣を襲う動物に痛みを与えて、巣を守るのが目的
・巣の規模が大きい虫のほうが、刺されるとより痛い など

※掲載内容は変更になる場合があります。