2018年上半期のビジネス書大賞は『AI vs. 教科書の読めない子どもたち』 AIは人間の将来をどう変える?

ビジネス

2018/7/27

新刊ビジネス書の情報誌『TOPPOINT(トップポイント)』が、1万人以上に読者アンケートを行い、2018年上半期のベストビジネス書を選定した。

■2018年上半期大賞は、『AI vs. 教科書の読めない子どもたち』

 多数の候補書籍から今回の対象に輝いたのは、『AI vs. 教科書の読めない子どもたち』(新井紀子/東洋経済新報社)だ。

「AI(人工知能)」は昨今のビジネスシーンでも非常に注目度の高いテーマであり、関連書籍も多く発刊されている中には「AIが人類を滅ぼす」など不安を煽る内容のものも。著者の新井氏はAIを研究する数学者であり、本書を通じて冷静に「シンギュラリティ(※)」は来ない」と断言する。一方で、AIは人から多くの仕事を奪う可能性があることを指摘。それに対して今増えている教科書に書かれた意味を正しく読み取ることができない読解力の低い子どもが、将来仕事に就くことができず、社会に失業者が溢れる「AI恐慌」に行き着くのではないか――と警鐘を鳴らす。
 
※シンギュラリティ=AIが自律的に自分自身よりも能力の高いAIを作り出すことができるようになること
 
 今回の読者アンケートでは、「自らの経験やデータをもとに説明してあり、説得力があった」「未来に向けた教育について問題提起されている」といった声が多数寄せられた。

■本書『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』のレビュー本文は【こちら】

 
■大賞を受賞した著者・新井紀子氏のコメント
(全文)

 拙著「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」をTOPPOINT大賞 に選んで頂き、大変光栄に思っております。
 ビジネスシーンで活用が始まっているAIですが、実は「意味」を理解して処理を行っているわけではありません。ところが、中高校生もAIに似たような文章の読み方をしており、教科書すら正しく読めていないという実態が明らかになりました。これでは、人がAIを使いこなして生産性を上げる前に、人の方が職場から駆逐されてしまいます。
 人とAIが共存共栄するために何をすべきなのか、拙著を通じて多くの方と問題意識を共有できればと願っております。

■大賞受賞の本書に投票した読者のコメント(抜粋)

・数々のシンギュラリティ神話を歯切れよくバッサリと切っていく。後に残るのはAIに関する正確な現状認識。専門家からの警鐘という意味も含めて、良い本だと思います。(40代・男性)
・最近はAIに関するニュースが多く、あまりにも危機感を煽る論調に違和感を持っていた。そんな中で手にしたこの本は自らの経験やデータをもとに説明してあり、説得力があった。(50代・男性)
・AIは現時点では所詮機械であり万能ではない。そのためいかに活用するかが焦点となる。至極当たり前の話であるがその点について冷静に議論されている。(60代・男性)
・AIの時代に必要とされることが、言語能力であるという逆説的だが的を射た議論に納得した(40代・男性)

■新刊ビジネス書情報誌『TOPPOINT』大賞 公式ホームページ