東出昌大や宮藤官九郎が追加キャストに! 芥川賞受賞『おらおらでひとりいぐも』映画化に期待の声「早くスクリーンで見てみたい」

文芸・カルチャー

更新日:2020/7/15

『おらおらでひとりいぐも』(若竹千佐子/河出書房新社)

 芥川賞と文藝賞をW受賞したベストセラー小説『おらおらでひとりいぐも』(若竹千佐子/河出書房新社)が、2020年6月24日に文庫化。その一方で実写映画化に関する新情報も解禁され、「あの小説の世界が映画ではどんなふうになるのかな。楽しみすぎる」「スクリーンで桃子さんがどんな姿を見せてくれるのか、今からワクワク」「映画の完成が待ち遠しい!」と大きな反響が上がっている。

 同作で描かれるのは、70代の“桃子さん”を主人公とした物語だ。24歳の秋に生まれ故郷を飛び出し、身ひとつで上京した桃子さん。それから50年、夫・周造と出会い2人の子どもを育て上げた彼女は、夫の死によって独り身になってしまう。しかし住み慣れた家でお茶をすすったり、ねずみの音に耳をすませたりしていると、内から外から“心の声”がジャズのセッションのように湧きあがってきて──。

 自ら捨てた故郷、疎遠になった息子と娘、そして今は亡き夫への愛情。作中では過去と現在を行き来する桃子さんの脳内が、故郷の東北弁と標準語を織り交ぜたリズミカルな文体によって表現されていく。

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 世間的なイメージでは独居老人は孤独だと決めつけられているが、桃子さんの暮らしは明るく伸びやか。「歳をとるのも悪くない」という価値観を提示した同作は青春小説ならぬ “玄冬小説”と呼ばれ、幅広い年齢層の女性から圧倒的な支持を獲得している。発行部数は50万部を突破しており、読者からは「桃子さんの言葉が脳内再生されるので、そのイントネーションを味わいながらゆっくり読み進めた。自分の老いについて思いを馳せずにはいられなかった」「素晴らしい作品で、老いを迎えた我々の応援歌である」「これからの人生を少しでも明るく面白く生きていこう。そんな元気をもらえた1冊でした」と絶賛の声が上がっていた。

 今回の映画化では、『横道世之介』や『モリのいる場所』などを手掛けてきた沖田修一氏が監督・脚本を担当。主人公は二人一役のキャスティングとなり、数々の賞に輝いてきた名女優・田中裕子が「現代の桃子さん」役、人気女優の蒼井優が「昭和の桃子さん」役に抜擢されている。

 また6月22日には追加キャストとして東出昌大が周造役、濱田岳や青木崇高、宮藤官九郎が“心の声”を演じることが明らかに。ファンの間では一層映画化への期待が高まっているようで、SNSなどでは「田中裕子と蒼井優ってキャスティング、天才的だ……」「私の中の“桃子さん”のイメージが田中裕子にぴったりなので、絶対観に行きたい」「監督が沖田修一さんと知ってめちゃくちゃテンション上がりました!」「東出さんがどんな周造を演じてくれるのか、早くスクリーンで見てみたい」といった声が上がっている。

 誰もが年を重ね、出会いや別れを繰り返しながら生きていくもの。桃子さんの生き様をその目で確かめて、いつか訪れるかもしれない“おひとりさまの老後”に思いを馳せてみてはいかがだろう?

■映画『おらおらでひとりいぐも』
公開:2020年秋
監督・脚本:沖田修一
出演:田中裕子、蒼井優、東出昌大、濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎 ほか
原作:若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』
公式サイト:https://oraora-movie.asmik-ace.co.jp/