「転職後の満足度が低くなる理由」転職コンサルタントはどう考える?

ビジネス

公開日:2020/9/1

転職コンサルタントはどう考える? 「転職後の満足度が低くなる理由」

 転職を決意する理由は人によってさまざま。キャリアアップを狙う人もいれば、「現職の環境に不満だから」という人もいるかもしれません。「転職理由」と「転職先での満足度」は、どの程度関係してくるのでしょうか。

転職後の満足度が低くなる“転職理由”とは

 人材紹介サービスなどを提供するエン・ジャパン株式会社は、転職コンサルタント118名を対象に「転職理由と、転職後の満足度の関係性」について調査。8割以上のコンサルタントが「転職理由によって、転職後の満足度に差が出る」と回答しています。

“満足度が高くなる転職理由”の1位は、「専門スキルや知識を発揮したい」で44%の割合。「自身の強みや、できる仕事、やりたい仕事が明確な方だと、うまくいくケースが多い」「自身のスキルを活かせる環境へ転職するので、仕事上のギャップは生まれにくい」といった理由が上げられていました。

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 一方で“満足度が低くなる”傾向にあったのは、「上司と合わない(42%)」「職場の人間関係が合わない(40%)」といった理由で転職するケース。人間関係において“他責で自己改善が図れない人”は、結局次の職場でも不満を持つ可能性があるのだとか。

 長年人事で転職人材を見てきたという男性からは、「この調査は本当にその通り。根本の転職理由が“他責”だと、また同じ問題が起こる」とのコメントが。この意見には、「転職考えてるけど、ぶっちゃけ人間関係が原因です……」「やっぱり専門スキルを身につけないと前向きな転職はできないのかな~」といった反応が上がっています。

転職先でどう振る舞うべき?

 一度転職を決断した場合、理由はさておき“転職先でどう振る舞うか”に集中していきたいところ。エン・ジャパン株式会社は35歳以上のミドル向けに、「転職先企業への馴染み方」というテーマでもアンケート調査を行っています。

 まず「転職先で起こしがちな失敗」を尋ねたところ、1位となったのは「前職の仕事のやり⽅を持ち込む」で割合は66%。2位は「前職の会社と転職先企業を比較して悪く言う(41%)」、3位には「転職先企業の社内ルールを軽視する(34%)」が入りました。

 続いて入社前と入社後における、「転職先企業への馴染み方」を質問。入社前の時点では、「直属の上司や同僚と会う機会を作ってもらう(71%)」が2位に約40ポイントの差をつけ1位となっています。入社後の順位では「周囲とのコミュニケーションを密に取る(69%)」が最も多く、他にも「必要以上に気張らない(31%)」「社内のキーマンを⾒つけておく(26%)」といった回答がトップ10入り。

 採用フロー中に顔を合わせる機会があるのは、ほとんどが経営者や人事担当のみ。なるべく“現場の同僚”とお近づきになっておくことが、転職成功の秘訣なのかもしれませんね。