25年間日本の社会問題と真摯に向き合い続けた『ジョジョ』

マンガ・アニメ

2012/7/16

 『ダ・ヴィンチ』8月号では、大人気マンガ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズを特集している。『ウルトラジャンプ』にて連載中の第8部『ジョジョリオン』は、東日本大震災のわずか2カ月後に始まった。その舞台は、「震災後」のS市杜王町だ。

 『ジョジョ』が誕生したのは、1986年。以来25年間、日本は激動の中にあった。『ジョジョ』は、驚くほど見事にその時代の激流に即応している。社会、経済、文化、さまざまな側面で生じた日本の変質を、1~8部各々のテーマとして、的確に描き出している。

 バブル期の「強い日本」の時代には「肉体」の力を追求し(第1・2部)、その崩壊が兆した89年には、肉体から「心」へと機敏にテーマをシフトした(第3部)。地下鉄サリン事件など凶悪事件が世を揺るがした90年代後半には、「正義」の意味を再び深く問い直している(第5部)。

 社会が提起する問題は、時代によって移り変わる。『ジョジョ』は、25年間その問題に真摯に向き合い続けてきた。「時代の中で、人はどう生きるべきか」。つねに読者を励まし続けてくれたジョジョの道程を、誌面では、日航ジャンボ機墜落やリクルート事件、長野オリンピック、9.11など実際の現代日本史と作品を照らし合わせ、分析している。

構成・文=松井美緒
(ダ・ヴィンチ8月号「『ジョジョの奇妙な冒険』連載25周年 JOJO=JAPAN」特集より)