原田マハの短編集『ギフト』が文庫化!「どの話も優しさに包まれている」「ちょっと落ち込んだ時に読むと響く」と絶賛のショートストーリー

文芸・カルチャー

公開日:2021/1/3

ギフト
『ギフト』(原田マハ/ポプラ社)

 第25回「山本周五郎賞」に輝いた『楽園のカンヴァス』や、画家・ゴッホをめぐる物語を描いた『たゆたえども沈まず』など、数々の名作を生み出してきたストーリーテラー・原田マハ。その才能を存分に堪能できる短編集『ギフト』が、2021年1月4日(月)に文庫化を果たす。

 同書に収録されているのは、心温まる20の物語(ギフト)。慌ただしい日常の中に潜んだ“小さな幸せ”が、さまざまな人間関係と共に描き出されていく。1話ごとの分量が短いショートストーリーだからこそ、ギュッと凝縮された作家の個性を楽しめるだろう。

 もやもやとした気持ちを抱いて私は旅に出る(「この風がやんだら」)。大学時代の親友の結婚式へ向かう特別な近道(「コスモス畑を横切って」)。海外留学の前夜、桜並木の下を父親と歩く(「そのひとひらを」)。エニシダの枝に飾られた、彼からのメッセージ(「花、ひとつぶ」)。どの短編に描かれているのも、特別なエピソードではない。ごく平凡に生きている人が共感できるような、リアルなシチュエーションが設定されている。丁寧に描き出される登場人物たちの心情に、きっと心を動かされてしまうはずだ。

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 文庫化の元になった単行本は、2009年7月に刊行されたもの。発売時から現在に至るまで多くの読者に支持されており、ネット上では「恋愛要素多めの短編集。どの話もハッピーエンドなので、ちょっと落ち込んだ時に読むと響くかも」「一つひとつは短いけど、その中にギュッと詰め込まれたあたたかいものを感じることができました」「ひと息つくときに読むと、ほわっと幸せになれる短編集。どの話も優しさに包まれている」「恋愛・結婚・家族愛にまつわる、心がホッとあたたまるようなお話がたくさん詰まっていた。恋の甘酸っぱさだけでなく、心のすれ違いで生じる苦さも上手く表現されているところがいい」と絶賛する声が上がっている。

 なお、文庫版では母と娘の切ない絆を描いた短編「ながれぼし」も併録される。この機会にハートフルな物語に触れ、心の奥底にあたたかい火を灯してみてはいかがだろう?