“めんどくさい”女子の脳内を描いたマンガがおもしろい!

アニメ・マンガ

2012/7/27

 少し前の飲み会で出会ったイケメンと駅でバッタリ。声をかけるべきか、かけないべきか!?
「1回しか会ったことない人に声かけるなんて自分のキャラじゃない」と臆病な自分の気持ちもあれば、「そんなのつまんない!」と冒険してみたい自分もいる。「向こうはどうせ私のことなんて覚えてないよ……」と自虐的になったり、「でも、かっこよかったなー♡」と素直な自分は思っていたり。頭のなかで、幾通りもの考えや思いがグルグル! こと恋愛がらみとなれば、誰しもこういう経験あるのでは? そんな頭のなかのグルグルを“脳内会議”としてマンガにしたのが、水城せとなの『脳内ポイズンベリー』(集英社)だ。


よくある天使と悪魔の声どころか、30歳の主人公・いちこの頭のなかでは、メガネ男子にロリータ少女、老紳士まで、なんと5人ものキャラが“朝生”ばりの熱い会議を繰り広げている。実際、人の頭のなかには直感や打算、恐怖や期待など、いろんな思いが混ざり合って存在する。そんな脳内が暴走し、それに振り回されて空回りする主人公に共感できる女子も多いはず。一見役立ちそうな“経験値”が意外と足をひっぱっていたりする、アラサー女子ならではの思考回路もよくわかる。自分をもてあまし気味の女子たちにとっては、自分取扱説明書になるかもしれない。とくに、あなたが「めんどくさい!」と言われてしまうタイプであれば、なおさら。

 斬新にも思える『脳内ポイズンベリー』だが、水城せとなは、一貫してこうした“葛藤”や“妄想”を丁寧に描いてきたマンガ家だ。
講談社漫画賞も受賞した『失恋ショコラティエ』(小学館)では、付き合っていると思っていた人からあっけなく振られた悔しさ、それでも忘れられない好きという気持ち、諦めきれない自分への情けなさなど、胸に渦巻くさまざまな思いを表現。『窮鼠はチーズの夢を見る』『俎上の鯉は二度はねる』(小学館)でも、男性カップルであるがゆえの心のもがき、複雑な思いのすれちがいが描かれている。

 恋愛をきれいごとで終わらせず、“葛藤”があるからこそ、“せつなさ”が生まれる。――「腐女子じゃないけど、水城せとなのBLは好き」そんな読者が少なくないのも、リアルな“せつなさ”ゆえだろう。
そして、恋に一生懸命な男子のかわいさも、水城作品の特長! 2巻が7月25日に発売されたばかりの『脳内ポイズンベリー』では、いちこの脳内会議に拍車をかける早乙女くんの天然っぷりにも注目したい。

 女性の気持ちがわからないと悩んでいる男性にもぜひ読んで欲しい1冊だ。