作家 道尾秀介が読み解く『キャッスル』の魅力

美しい殺人現場……？

　マンハッタンにある高級アパートの一室で見つかった奇妙な死体。それは、薔薇の花弁で全身を覆われ、目には黄色の花が載せられていた。この装飾がリチャード・キャッスルのベストセラー小説にあるワンシーンと一致することに気づいたニューヨーク市警殺人課のベケット刑事は、犯人はキャッスルの偏執(マニア)的ファンであるとプロファイリングする。そこでキャッスルから事情聴取を行うことになるが、彼はあろうことか興味本位で捜査に加わってきた。やがて、犯人のものと思われる指紋が見つかり、事件はプロファイル通りに解決するかに見えたが……。
　

作家・キャッスルは実在の人物！？

キャッスルはドラマの中でベケット刑事をモデルにしたミステリー作品を上梓するが、なんと米国では「リチャード・キャッスル」名義で書かれた小説が3巻まで発刊され、ベストセラーとなり、今秋には第4巻が発刊される。そして、来年日本での発売も決定。こちらも大注目だ。