海外でのアニメ人気が教えてくれる日本の底力! これは見逃せない!!

2012/11/25

アニメ文化外交

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 筑摩書房
ジャンル: 購入元:電子文庫パブリ
著者名:櫻井孝昌 価格:756円

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とにかく「興奮」する本だった。タイトルの通り、日本製アニメがいかに日本の外交上で大事な役割をになうのか、その可能性について述べた本書は、まさに知らなかった日本の「力」を新たに教えてくれる目からウロコの1冊。K-POPをはじめとする韓国カルチャーの勢いに押され気味で、ここのところ元気のない日本だけに、「アニメ興味ないしー」とかいわないで、とにかく一読をオススメしたい。

いわゆる「クール・ジャパン・ムーブメント」と称されることもあるが、現在、アニメや漫画をはじめとした日本のポップカルチャーが世界で人気を集めているということを、なんとなく知っている方もいるだろう。しかし、世界での人気は半端なものじゃない。外務省の応援のもと、ドイツやスペインといった欧米の先進国だけでなく、ベトナムやラオス、カンボジアなどの途上国など世界11カ国15都市で、日本のアニメを紹介する「アニメ文化外交」の講演を行ってきたという著者が伝える現場の「熱気」と「真実」は、とにかく可能性に満ちていて、いい意味でおおいに胸騒ぎがする感じだ。

本書に登場する海外のアニメファンたちは、自ら「OTAKU」と誇らしく称し、日本でいうコミケのようなファンイベントに集い、日本という国に憧れすら覚えてくれている。「僕たちは(日本の)アニメで育っているんですよ」とのイタリア人学生の声にあるように、かつて日本人がアメリカのハリウッド映画やロックに憧れて育ったのと同じような状況が起こっているというのだ。

日本のアニメがなぜそこまでの人気を獲得したのか? 理由はさまざまにあげられているが、とにかく、今、世界で起こっていることを、まず日本人自身が知ることが1番大事なことだと痛感する。本書を読む限り、この分野においてできることはまだまだある、というか、有効なアイディアがまるで実践されていないといったほうがいいだろう。官に民にとアニメ人気の有効利用についてさまざま問題提起もなされているが、私としては、これからの時代を作る若者たちに、この事実を伝えることが大事という気がした。アニメ好きかどうかはおいといて、日本社会の停滞に嘆くくらいなら、新しいステージを自分から作り出したほうがおもしろい。世界を相手に何かできそうな気がする、新しい予感いっぱいの1冊だ。


「目次」より 章立てはわりとシンプル

「はじめに」より 著者の思いがほとばしる

ミャンマーで開催された講演での写真

「本文」より 次々紹介される各地の熱気に圧倒される