学園のイケメン双子王子が、妄想好き陰キャ腐男子の僕に執着してる!?『陰キャな僕が双子に愛される理由』

マンガ

公開日:2022/10/18

陰キャな僕が双子に愛される理由 1
陰キャな僕が双子に愛される理由 1』(三ツ矢凡人/白泉社)

 セクシーとキュートならどっちが好き? いやいや、セクシーもキュートも、王子様もちょいワルも、どっちも好きに決まってるでしょう! BLにも、そんな清々しい欲望に向き合ってくれる懐の広いジャンルがあります。それは、主人公がタイプの違うふたりから同時に求愛されてしまう、いわゆる三角関係もの。とはいえ、お相手が魅力的なキャラであればあるほどに、どちらと結ばれるか決めきれない、どちらとも幸せになってほしい……揺れる読者のあなたにぜひともおすすめしたいのが、『陰キャな僕が双子に愛される理由 1』(三ツ矢凡人/白泉社)という作品です。

 主人公の二ノ久保光は、BLを糧に生きる高校2年生。右と左の色が違う目のことでいじめられた過去を持つ彼は、今でも人と話すことが苦手で、友だちもいない。以前は仲のいい幼馴染がふたりいたけれど、中学に上がったころから、どうも避けられているようだ。

 ふたりの幼馴染──やさしくて明るく、女子に人気のある凪と、精悍で腕っぷしも強く、男子の取り巻きの多い嵐は、アイドルのように学園の人気を二分する二卵性の双子。彼らに無視される理由もわからないまま、双子と同じ高校に進学してしまった光は、体育の授業でも目立たないよう隅のほうでスマホを手にし、BL読書に耽っていた。が、飛んできたサッカーボールにぶつかって、あえなく気を失ってしまう。

advertisement

 目を覚ましたのは保健室、双子が光を運んできてくれたらしい。自分を嫌うふたりがいるというだけで気まずいのに、なんと凪が手にしていたのは、気絶する直前まで光が肌色BLコミックを読んでいたスマホ! 双子は、両側から光を挟んで甘くささやく──「…いつから興味があったの? 男同士で…エロい事するの」。色めいた手つきでふたりに触れられ、くちづけられると、もう逃れることはできなくて……!?

 往年の物語では、「仕事と私、どっちを取るの!?」などというセリフも聞かれたようですが、時代は令和。働き方改革も少しは進み、多様性も尊ばれ、仕事も私も、セクシーもキュートも王子様もちょいワルも、従来のルールにとらわれることなく、心のままに愛せる時代です。そんな時代にこの作品が教えてくれるのは、「恋をする上で大切なのは『好き』という気持ちだけ」という、シンプルでまぶしい事実なのかもしれません。

 学園のイケメン双子王子×妄想好き陰キャ腐男子のトライアングルラブ。あらためてピュアに恋する気持ちに浸りたいあなたに、ぴったりの物語です。

文=三田ゆき

あわせて読みたい