柳楽優弥主演で実写化! 山間の村の触れてはいけない秘密とは。驚愕のサスペンスコミック『ガンニバル』

マンガ

更新日:2023/2/10

ガンニバル"
ガンニバル』(二宮正明/日本文芸社)

 サイコスリラーとサスペンスが合わさると、こんなにも先の展開が待ち遠しくなるものなのか…。『ガンニバル』(二宮正明/日本文芸社)は、そんな驚きをくれる、人間の狂気を描いたコミックだ。

 本作はYouTubeでおすすめ漫画として魅力が紹介されたり、柳楽優弥主演で定額制の動画配信サービスで映像化されたりするなど、注目を浴びている。なぜ、本作はこんなにも人の心を掴むのか。その理由は、思わず惹きつけられてしまう舞台設定にあるようだ。

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赴任先の村には食人習慣の噂が…ひとりの駐在が命を懸けて真相解明に挑む!

 舞台は、日本の山間にある「供花村」。この村に駐在として赴任してきたのが、阿川大悟だ。妻子と共に引っ越してきた大悟は、気さくな村人たちが、自分たち家族を温かく迎え入れてくれたことを嬉しく思っていた。

 実は大悟、赴任前、自分の娘を守るため、犯罪者を射殺した過去がある。その一件以来、表情を失ってしまった娘が供花村では活き活きしている姿を見て、大悟夫妻は心の底から幸せを噛みしめていた。

 ずっとこの村で暮らしていきたい――。そう思っていたが、後藤銀という老婆の遺体が村で見つかったことを機に、大悟の心境は一変。なぜなら、その老婆の腕には人間による歯形が残されていたからだ。

 それを見て大悟の頭に浮かんだのは、前任の駐在・狩野治が言っていた「この村の人間は人を喰ってる」という言葉だった。

 本当にこの村には食人習慣があるのではないか…。そんな疑問が頭から消えなくなった大悟は愛する家族と供花村で生きていくため、独自に調査を始める。

 その中で知ったのは、「後藤家」が村で絶大な権力を握っていること。そして、後藤家には「あの人」と呼ばれる中心的な人物がいることだった。

 さらに調査を進めるも、後藤家のことを探り始めた途端、村人が自分たちを排除しようとし、監視しているように感じられ、大悟はどんどん周囲の人間を信じられなくなっていく。

 そんな中、狩野の娘から渡されていた謎の電話番号から連絡が。電話の相手は「供花村の秘密を知っている」と告げてきた。この人物と対面したことで、大悟は驚愕の真実を知ることに。供花村の暗部に、さらに足を突っ込んでいく――。

 カニバリスムを題材にした作品は、残酷な描写やグロさが売りとなっていることが多く、抵抗感がある方も少なくないだろう。だが、本作はグロさを引き立てているというよりも、サスペンス的な要素がメインとなっているので、類似作よりも手に取りやすいはずだ。

 村の人間がおかしいのか、それとも後藤家を調べる中で、大悟が疑心暗鬼になりすぎているのか。ハラハラし、ページをめくる手が加速していく。

 後藤家は、どうしてこれほどまでに村の中で勢力を持っているのか。そして、「あの人」の正体とは一体…。巻を増すごとに次々と疑問が出てくる本作は一気読み必至な作品なのだ。

 火のない所に煙は立たないというが、果たして、供花村はどうなのだろうか。この小さな村に隠された真実を自分の目で確かめ、驚愕してほしい。

文=古川諭香

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