61歳でYouTuberデビューも! 60代からの快適な暮らしのヒントがここに。シニア女性が実践する「暮らしの楽しみ方」

暮らし

公開日:2023/2/16

 まだ先の話だと思いつつも、60代以降の自分の暮らし向きがどんなものになっているだろう、と想像することがある。体力だけでなく気力も今より衰え、財布の中身も寂しくなるのではないかと、不安を抱く現役世代も多いのではないだろうか。

 だが、『60代からの小さくて自由な暮らし』(主婦の友社)を手に取ると、いつまで経っても“今”を慈しみながら、自分らしく暮らすことは可能なように思え、想像する未来が明るくなる。

 本書は、シニア女性が楽しく、快適な日々をおくるヒントを教えてくれる一冊。ここには、いつか来る未来をより豊かにする秘策が満載だ。

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都会から田舎暮らしに! お金を使うことに頼りすぎない暮らしの楽しさを知って

 本書に登場するシニア女性たちの暮らしは、慎ましくも、自由と幸せが溢れていて羨ましくなる。

 40年ほど前、養母の介護のため東京暮らしから一転し、自身が育った自然豊かな山の中の地で暮らすようになった伊藤千桃さん(72)の日課は、約20種類のハーブや果物、野菜を育てている庭の手入れをすること。

 農薬や化学肥料を使用していない庭で採れる野草や作物は、化粧水にしたり料理に取り入れたりと、使い道がたくさんだ。

60代からの小さくて自由な暮らし P13

60代からの小さくて自由な暮らし P16

 自己流アレンジが得意な伊藤さんは今あるものを大切に使うことを忘れない。手元にある布は椅子のカバーやエプロン代わりにするなど、リメイクも楽しんでいる。

60代からの小さくて自由な暮らし P15

 限られた一日の時間を、どう楽しく過ごすか。伊藤さんの暮らしには、そんな問いへのアンサーが詰まっている気がしてならない。

お金が余るほどあるなら“買う“という行動に直結するのだと思いますが、そうではないので工夫する癖がつきました。でも、それが暮らしの楽しさでもあるんじゃないかしら。

 伊藤さんのこの言葉に触れると、限りあるお金を工夫して使うことの楽しさや、本当の豊かさの意味に気づけるだろう。

世間体を気にせずにやりたいことにチャレンジし続ける現役YouTuber

 人は何歳からでも、いきいきとできる――。そう感じさせてくれるのが、母親が介護施設に入居したことを機に、60歳にして人生初の一人暮らしを始めたMimiさん(63)の生き方だ。

60代になり“ありのままの自分”を受け入れられるようになったのも大きな変化。(中略)これ以上“何か”を求めなくてもいいじゃないって

 自身のこれまでを、そう振り返るMimiさんは、なんと61歳にしてYouTuberデビュー。「老いてこそデジタル」の心意気で、iPadの使い方も勉強し、スマートウォッチを取り入れ、体を動かす習慣を作っている。

60代からの小さくて自由な暮らし P35

 やりたいことは何でもチャレンジする精神のMimiさんは、ファッションも世間体を気にせず、楽しんでいるよう。プチプラの箸置きをリメイクしたブローチをつけながら、ユニクロやGUのプチプラコーデを楽しんでいる。

60代からの小さくて自由な暮らし P28-29

 また、一人暮らしの支えは自分自身であるからこそ、さまざまな工夫で自身をサポート。老眼が進む中で感じることが多い、スイッチの文字が見えにくいというストレスはかわいいシールを目印代わりに貼ることで解決。

60代からの小さくて自由な暮らし P32

 何か困りごとが起きた時には、ノートに対処法を記録。記憶力を過信せず、同じ問題で再びあくせくしないようにしている。

60代からの小さくて自由な暮らし P34

 加齢によって、不便なことはたしかに生じてくるけれど、それは不自由さには結びつかないのかもしれない。Mimiさんの暮らしを見ているとそう感じられ、私も将来、年齢を理由にくすぶらない生き方をするのだと自分自身に誓いたくなる。

 そして、人物特集の後には「世界が広がる、人とつながるSNS 始め方、楽しみ方」と題して、YouTubeやTwitter、Instagram、ブログなどの始め方の手順や楽しみ方が丁寧に紹介されている。

 今さら聞きにくい各種SNSの特徴や注意点、利用法を、イラストや写真付きで解説。

60代からの小さくて自由な暮らし P64

60代からの小さくて自由な暮らし P50

 安全な活用法を知れば、世界とつながることができるSNSは怖いものではなく、暮らしにちょっとした楽しみをくれる便利なものになるはず。新たに夢中になれるもの・ことを見つけたい時にぜひ、参考にしてほしい。

 なお、本書にはファイナンシャルプランナーによる老後の不安を解消するお金の知識も収録。想像以上に複雑な年金制度の仕組みやお金が貯まる暮らしのコツなど、老後を迎えるまでに知っておきたい情報も、しっかりと詰め込まれていて心強い。

 人生100年時代と言われる今、私はどう年を重ねていきたいだろうか…。本書を手に、そんな問いを心に投げかけてみてほしい。

文=古川諭香

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