Snow Man目黒蓮×今田美桜で映画化! 大人気ラブストーリー『わたしの幸せな結婚』の魅力

マンガ

更新日:2023/2/19

わたしの幸せな結婚
わたしの幸せな結婚』4巻(顎木あくみ:著、高坂りと:画、月岡月穂:キャラクター原案著/スクウェア・エニックス)

 昨年ドラマ『Silent』でその存在を世に知らしめたSnow Manの目黒蓮さん。彼の初単独主演映画『わたしの幸せな結婚』が3月17日(金)に公開されます。原作は顎木あくみさんの同名小説で、コミカライズと合わせて累計500万部を超える人気作品です。

 舞台は異形のものがはびこる明治・大正時代の日本。冷酷無慈悲と有名な名家の当主・久堂清霞(目黒蓮)のもとに、今田美桜さん演じる斎森美世が嫁ぐところから物語は始まります。美男美女というだけでなく、演技力にも定評のあるふたりの繊細な表現で、清霞と美世が心を通わせていく様子が丁寧に描かれています。また本作のメガホンを取るのは、『最愛』『MIU404』など数々の人気ドラマを演出した塚原あゆ子さん。塚原さんらしい表現方法で映像化されたアクションシーンやファンタジー要素など、実写化ならではの魅力もたっぷりです。

 本作の一番の魅力は、清霞と美世の心の交流。美世は、異能という特殊な力を持つ家に生まれながら、その才能を持たなかったために継母と異母妹に虐げられ、使用人以下の生活を送ってきました。一方清霞も異能者を生み出す家系としてもトップクラスの久堂家に生まれ、美貌・才能・家の格とすべてに恵まれながらも、子どもを顧みない母親の代わりに使用人に育てられたり、お金や家の格目当ての婚約者に辟易したりと、心に埋められないものを持つ人物。そんな孤独な魂を持つ者同士が惹かれ合い、お互いの心の隙間を埋め合う過程が丁寧に描かれています。早くから美世に惹かれる清霞ですが、元々クールな性格である上にこれまで恋愛をしたことがないため、美世に気持ちをうまく伝えられません。美世は美世でこれまで虐げられて育ってきたので自己肯定感が低く、なかなか清霞の好意に気が付かず。そんな不器用同士のやりとりが、じれったくもきゅんとくるのです。

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 コミックス最新刊の4巻(顎木あくみ:著、高坂りと:画、月岡月穂:キャラクター原案著/スクウェア・エニックス)では、自ら「淑女としての教育を受け直したい」と言い出した美世のために、清霞の姉・葉月のレッスンがスタートします。しかし連日見る悪夢のせいで、日に日に体調が悪くなっていく美世。さらに葉月と清霞の間に流れる空気に本当の家族の絆を感じ、「自分がそんな家族をつくれるのか」と不安を感じてしまいます。そんな中、久々に街を訪れた美世は暑さと疲れで倒れそうに。そこを鶴木新という男性に助けられます。オクツキという異能者の墓が暴かれ、多忙を極める清霞の職場にも鶴木は登場。このふたつの出会いは偶然なのかそれとも――。鶴木の登場によって、清霞と美世の関係に様々な変化が現れます。

 ふたりが惹かれ合う過程がより丁寧に、胸キュンシーンも満載で描かれるコミカライズ。迫力の映像と役者陣の丁寧な演技力で原作の魅力を余すことなく伝える実写映画。どちらもおすすめの一作です。

文=原智香

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