教養こそ最高の武器! ニュースを知る土台、トークの引き出しになる「本物の教養」を学ぼう

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公開日:2023/3/3

世界でいちばんやさしい 教養の教科書[自然科学の教養]
世界でいちばんやさしい 教養の教科書[自然科学の教養]』(児玉克順/Gakken)

 大人になればなるほど、自分の教養のなさに気付かされることが増えてきた。もっと学生時代に真面目に勉強していればよかった。新聞や本を読んで最新の知見を知ろうとしても、土台となる知識がないからイマイチ頭に入ってこない。周囲との話にもついていけないことがある。知っていて当たり前のことを知らないのはかなり問題に感じているが、一体どうやって知識を身につければいいのだろう。

 私のように漠然と自分の知識量に不安を感じている人や、何かもっと見識を広めたい! という人は『世界でいちばんやさしい 教養の教科書[自然科学の教養]』(児玉克順/Gakken)を読んでみてはどうだろうか。この本は、全人類が知っておきたい理系分野の教養を解説してくれる。物理学・数学・化学・地学・生物学などの知識を1冊で幅広く学ぶことができるうえに、500点を超えるイラストや図を用いて、ストーリー仕立てで解説してくれるから、読み進めるのも気軽。「教養を手っ取り早く身につけたい」「最新のニュースを理解するための背景知識を学びたい」という人にピッタリの本なのだ。

世界でいちばんやさしい 教養の教科書[自然科学の教養] P10~11

気軽に読めるけれども、内容は骨太! 抽象的だった知識が“具体”になっていく

「相対性理論」「エントロピー」「自然選択説」「量子論」……。この本に掲載されているのは、文系の私にとっては、聞き覚えがありながらも、きちんと理解していなかった知識ばかりだ。それらを時代の流れに沿って教えてくれるから、初めて自然科学の原理や法則を、その発見の流れや最新の知見まで含めて理解できたように思う。「そうか。ニュートンの万有引力の法則は、惑星運動のケプラーの法則を証明しようとして生まれたのか」「天動説と地動説はこうやって議論されてきたのか」「ダーウィンの進化論と、最新の進化論にはこういう違いがあるのか」——もしかしたら、教養のある人たちにとっては、この本の内容はごく当たり前のことも多いのかもしれない。だが自分からすると、知っていたようで知らなかった知識の中身が詰まっていく、そんな一つひとつの学びが楽しくてたまらない。

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 映画やドラマ、小説で使われる用語が登場するのも、知識欲を高めてくれる。たとえば、「マルチバース理論」。「私たちの宇宙とは別の宇宙があるかもしれない」という発想のことで、SFやアメコミ映画でよく聞く用語だが、フィクションの世界だけのものではなく、今現実世界で真剣に論じられているとは知らなかった。もっともっと知識を深めたい。そんな時のために、この本では、重要なキーワードとキーパーソンについての用語集やおすすめのブックリストも掲載されている。興味をもった分野に出会ったら、この本を興味の出発点に、他の本にチャレンジするのも良いだろう。

世界でいちばんやさしい 教養の教科書[自然科学の教養] P168~169

世界でいちばんやさしい 教養の教科書[自然科学の教養] P170~171

シリーズを通して、さまざまなジャンルの知識を学べるのも楽しい

 さらに、実はこの本には、歴史や哲学、文化、経済、芸術などの文系の知識をまとめた姉妹本『世界でいちばんやさしい 教養の教科書[人文・社会の教養]』(児玉克順/Gakken)もある。こちらも読んでみると、文系としてはある程度知っている知識が多かったが、忘れていた部分も多く、知識の復習として役立った。自分の強い分野・弱い分野や、新しい知識として得るか、復習のために読むかという目的に合わせて、文系の教養、理系の教養、どちらも手軽に学べるのは嬉しい。

 より教養を深めたい人の味方になるに違いないこのシリーズを、是非ともあなたも手にとってみてほしい。教養は、私たちの視点を変える。日々、見聞きするニュースやコンテンツを見る目が変わる。さまざまなものを見る解像度が上がって、同じものに触れても、より深く楽しめるようになる。気になるテーマだけを読むもよし、知識量に不安があるテーマに取り組むもよし。このシリーズを起点に、「なんとなく知っている単語」を、使える知識にしよう!

文=アサトーミナミ

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