【本当にお金が貯まる貯蓄の真実】兵役中の息子に、父が毎日メッセージアプリで送った内容とは?

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公開日:2023/3/29

お金で大切なことはすべて、父がメッセージアプリで教えてくれた
お金で大切なことはすべて、父がメッセージアプリで教えてくれた』(チョン・ソニョン:著、北野博己:訳/KADOKAWA)

 NISA制度が定着しつつある。しかし、資産形成の重要性に気づきつつも、果たしてどのように実行すればいいのか悩んでいる人は少なくないだろう。

 元ロッテマート常務で、現在は実業家のチョン・ソニョン氏が、息子に送る手紙というスタイルで連載した記事が書籍となった『お金で大切なことはすべて、父がメッセージアプリで教えてくれた』(チョン・ソニョン:著、北野博己:訳/KADOKAWA)には、資産形成のイロハから、経済の仕組みまでが網羅されている。お金についての学びを得る際の、最初の1冊にぴったりだ。その中から、資産形成において重要なポイントとなる「複利」について書かれた部分を紹介しよう。


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資産を増やす成功の魔法は「複利効果」にある

 複利効果というものがどんな方法であるかご存じだろうか。チョン・ソニョン氏は、「一定のルールを超える秘法であり、時間が私たちにくれる成功の魔法である」と書く。

 というのも、チョン・ソニョン氏がいう複利効果は、ただ単純に金利によって雪だるま式にお金が増えていくことだけではないからだ。

 順を追ってみていこう。

 日本でも、郵便局に預けると金利が7%つくというような時代もあった。当時は銀行の定期預金口座に10年、20年と入れておくだけで老後の生活に困らない資産を築くことができた。しかし、今やゼロ金利時代である。銀行に預けていてもお金は増えない。

 NISAやiDeCoという制度もでき、貯蓄の時代から投資の時代へと変化しつつある。だが、元本が保証されている貯蓄とは違い、投資にはリスクがある。そのため、投資を始めようとするときには誰しも二の足を踏むことになる。

 それに対し、チョン・ソニョン氏は、「リスクをコントロールしながら、投資をする必要があり、投資した結果を最大限に得られるような金融商品に投資していくことが大事である。同時に、低金利時代に必要とされる金融商品を勉強しなければならない」と書く。

 そして、その際に理解しておきたいのが、複利効果であると。

 利息を計算する方法には、単利と複利の2つがある。

【単利法】
全期間の利息、元金に加算せず、次の期間も元金のみに対して利息を計算する方式。

【複利法】
一定期間の期末ごとに利息を元金に加算し、その合計額を次の時間の元金とする利息計算方法。

 例えば、10万円に対し、1年間で5%の利息がつくケースで考えてみよう。この場合、1年後には5000円の利息が得られることとなる。

 単利法の場合は、2年目も10万円に対し5%がつくという計算になる。

 例えば、株式の配当が単利にあたる。

 一方、複利法で10万円を5%の利息で運用すると、どうなるだろうか。

 1年目に得られる利息は、単利法と同じで5000円だが、2年目は10万5000円に対して5%の利息が得られるというように元金が変わる。つまり、5250円が2年目で得られる利息である。そして3年目になるとどうだろう。1年目で得られた5000円と2年目で得られた5250円を加えるため、3年目は11万250円で運用することになる。2年目よりもさらに大きな利息が得られるのだ。

 2年、3年という期間ではそれほど大きなメリットを感じられないかもしれない。だが、10年、20年経ってみるとどうだろう。

 10年後に得られる利息を計算してみよう。

 なんと、利息だけで6万2889円となり、元金と利息の合計は16万2889円になる。20年後ではさらに利息は膨れ上がって16万5330円となり、元金と利息の合計は26万5330円だ。

 この複利による利息を得られる方法は、銀行の預金、投資信託等がある。だが、前述した通り、銀行に預金していてもゼロ金利時代では多くの利息を得ることは不可能だ。

経済の勉強とお金の複利法が、富と成功を生み出す秘訣だ

 前述のとおり、複利効果は、時間を利用した魔法といえる。

 1年、2年という短期間では、その大きな実を実感できない。10年、20年と時間を重ねてこそ、大きな利益を得られる。

 毎日、毎月、こつこつと複利を得られる習慣で日々を過ごし、お金を積み立てていこう。

 投資によって資産形成をしようと考えるとき、つい、大きく儲けたいと欲を出しがちだ。けれども、資産は一朝一夕では築けない。毎日のコツコツとした積み重ねにこそ、資産形成の成功ルートが敷かれている。そのことをしっかりと身に叩き込んでから投資に一歩踏み出すべきだということを、チョン・ソニョン氏は教えてくれる。

文=中山美里

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