頑張っても痩せないのは“食べる時間”が間違っているから!? 食事制限ダイエット挫折者にもおすすめの「空腹リセットダイエット」

　朝ごはん抜きや休日の寝だめを続けていたら何故か太ってきた、という経験はないだろうか。食べ物に気をつかっているのに痩せないのなら、食べる時間を間違えているかもしれない。

『決まった時間に起きて食べるだけ 10時間空腹リセットダイエット』（主婦の友社）は、博士（理学）・管理栄養士である著者の古谷彰子さんが、「決まった時間に寝て、起きて、食べるだけ」という、時間栄養学に基づいたダイエットを紹介する一冊。著者自身、このダイエットで1年に17キロ痩せたという。

「空腹リセットダイエット」とは？

　空腹リセットダイエットには、私たちの体の中で目覚めの時間やホルモン分泌などを司る「体内時計」が大きく関係している。もともと体内時計は24時間より少し長めになっているためどうしても実際の時間とズレが生じるが、このズレを1日ごとにリセットする必要がある。この「リセット」をきちんと行えるようすることがダイエットにつながるのだという。

　本書によれば、朝寝坊や休日の寝だめなどで体内リズムが乱れると、太りやすい体になってしまい、さらに「ゆううつな気分になる」「生活習慣病にかかる」などの弊害が生まれやすいという。そこで空腹リセットダイエットを実践すると、体重減はもちろん、落ち込みが少なくなる、肌がきれいになるなど、いいこと尽くしだとか。

これだけは守りたい！ 5つのルール

ルール1 朝食を欠かさない
ルール2 10〜12時間空腹にする
ルール3 食事のタイミングをそろえる
ルール4 起床時間を一定にする
ルール5 食べたものを記録する

　以上の5つが、空腹リセットダイエットの基本的なルール。朝食は、体内時計をリセットすることを目的にしている。朝寝坊をして朝食をなかなか食べられないでいると、体がいつまで経ってもリセットされないので、起床後1～2時間のうちにすませるといいそうだ。食べない時間を長くすることも重要な点。夜19時に夕食を食べたら、12時間空けて、朝7時に朝食を食べるという具合だ。

　1日の中で最も長い絶食時間のあとが「朝食（＝ファーストミール）」になる、と覚えておけば、生活リズムが定まりにくい夜勤やシフトワーカーの人でも、勤務体制に合わせて食事時間を設定しやすくなるという。

悩める女性たちのダイエット記録が参考になる

　本書には、漫画『“隠れビッチ”やってました。』が実写映画化もされたイラストレーターのあらいぴろよさんが描く「あなたは何タイプ？ 悩める4人の『空腹リセット道』」も掲載されている。

　たとえば、激務による夜ふかしが多く「夜食が定番型」のYさんは、昼夜逆転の毎日の中で、カロリーに気をつかっているのに、半年前まではけていたジーパンがパツパツに。在宅勤務が続いたことで食事のタイミングなどがアバウトになり、体内リズムがボロボロになってしまったとか。

　そこで、「体内時計のスイッチが押されないまま1日がスタートしている」「夜ごはんが遅いうえ、食べてすぐ寝るため朝まったくお腹がすかない」といったNGポイントに注目。「朝決まった時間に起きて、たんぱく質を中心とした朝食をしっかりとる」「簡単な運動をとり入れる」などの改善を試みたところ、3週間でジーパンがゆるゆるに。朝一番からバリバリ働けて仕事効率もアップする、というオマケまでついてきたのだそう。

　ほかにも、「ストレス爆食型」の看護師、「間食とりすぎ型」の銀行員、「食事テキトー型」の子育て共働き女性と、太りやすいタイプ別のダイエット記録が紹介されており、自分のライフスタイルに合った取り組み方を見つけやすい。

食べ物を制限するダイエットに挫折した人にもおすすめ

「いつ食べるか」のほかに、「何を食べるか」も注目ポイントで、朝食にとり入れると効果的な食べ物やレシピも紹介されている。本書によれば、食事は必ずしも自炊じゃなくても良く、コンビニで買えるような食材も使える。料理は手抜きしてもいいので「主食＋たんぱく質」をベースに“食べること”を優先してほしいという。

　間食や夜食についても、「時間や量を守ればポテトチップスの間食もOK」「どうしても夜遅くなる場合は夕食を分けて食べる（分食）」など、“本当にいいの？”と疑ってしまうような自由な選択肢がいくつも紹介されている。「食べ物を制限するのはつらい」という人でも始めやすいのではないだろうか。

「空腹リセット」で朝シャキッと起きられる健全な体に

　脂肪を溜めにくい体になるうえに、お肌や髪の調子も良くなる、朝シャキッと起きられるなど、生活リズムや美容面まで整えてくれる空腹リセットダイエット。朝食を食べることで、子どもの記憶力や学力が上がったという調査結果も本書では報告されている。

　痩せたい人はもちろん、「痩せない理由が分からない」という人は本書でヒントが見つかるかもしれないし、「ダラダラした生活から抜け出したい」という人は、この本が健全なライフスタイルに導いてくれるかもしれない。

文＝吉田あき