怒濤の情報量ハーレクイン文芸ハードコア

日本のセックス

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : 双葉社
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:樋口毅宏 価格:750円

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とにかく凄い積載量なのである。普通の小説の内容量が家庭用中型車だとしたら、インドの大型トラックのように、屋根の上までてんこもりに荷物が載せられているかのような過剰さだ。前半がどエロいポルノ、中頃が法廷小説、さらに後半ではストーリーが二転三転するうえ社会批判から禅話までぎっしり詰め込まれている。この無茶な展開と時折顔を出す紋切り型表現が何かに似てるなーと思ったらハーレクインロマンスだった。しかし、主人公の心理が細かく書き込まれているという点において、これはエンターテインメントである以上に文芸作品なのだ。

主人公は東大を卒業して北京にも留学し、造船重機メーカーでバリバリ働き、ミラン・クンデラなども原書で読んでしまう頭も趣味も顔もいい女。しかし『アメリ』を観に行ったとき、カンダウリズムという変態趣味を持つ男と知り合ってしまい、結婚し、どんどん堕ちていく。周囲の人間よりもよほど頭の良い主人公という設定が著者が影響を受けたという白石一文の『僕のなかの壊れていない部分』を思い出させる。巧みなDJのように、他の作品の引用がコラージュされているところも似ている。

しかし、意味論的な引用はもっと多い。小道具のように使われているクンデラや『アメリ』にしても、ただの流行物ではなく性的放蕩やストーキングを美しく描いた作品なのだから。読んだり観たりした人だけがわかる仕掛けはこれ以外にもところどころちりばめてあり、知識がある人にはより楽しい読書体験ができる仕掛けにもなっている。

さらに、著者が描く女性は、このように突拍子もない設定でありながら女性の私から見ても非常にリアルだ。スワッピングで知り合うほかの女性たちも実際にいそうな感じで、さすが元投稿写真雑誌編集者と納得される。とにかく後半からジェットコースターに乗ったかのように話が転がっていき、頁をめくる手が(というか、スクロールする指が)止まらなくなる。ポルノ部分のえげつなさといい、たぶん、誰にでもおすすめできる小説ではない。しかし「人間には裏の顔があることも知っているよ」という大人の読者なら、きっとおもしろいと思える作品だ。


この小説を読んでこういう趣味があることを初めて知りました。結婚も大変ですね

「男ってバカじゃないの?」ほとんどの女はそう思ったことがあるはずだが、それを女性側の視点から描ける男性は希有だ

曲を引用するGREAT3についてWikipediaに勝るとも劣らない情報量で説明されている。この過剰さがイイ



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