サッカースタジアムで食べられる美味しすぎるグルメに食欲が止まらない! 阿波牛の焼肉丼、台湾まぜご飯、九条ネギ焼きそば……。『あつあつ!スタグル旅』

マンガ

公開日:2023/8/18

あつあつ!スタグル旅
あつあつ!スタグル旅』(能田達規/ヒーローズ)

 スポーツの夏まっさかり! 観戦に出かけるファンも多いことだろう。さて生観戦の魅力とは何か。それは“現場でしか味わえないもの”だ。

 当該スポーツのアツい戦いの勝ち負けだけではなく、テレビやネット配信には映らない選手の表情や交代選手の動きも楽しめる。さらに会場限定グッズも手に入れられるし、運が良ければチームのマスコットキャラクターとも直接触れ合うことができるのだ。そして味わうといえば、美味しいグルメである。

 前書きが長くなった。今回はサッカーを観戦し、試合が行われるスタジアムのグルメ(以下スタグル)を楽しみまくるマンガ『あつあつ!スタグル旅』(能田達規/ヒーローズ)を紹介する。

 サッカー好きな多くの方には間違いなく大きな共感を得られるだろう。また、スポーツを生で観戦していなかった方もスタジアムに行きたくなるかもしれないと感じた。本作の内容は食欲と旅行欲を刺激するからだ。

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■サッカー生観戦時の大きな魅力がスタグル!

 物語は新婚のサヤが、夫のヒロと横浜のサッカークラブのホームスタジアムで待ち合わせをしていたところから始まる。サヤは国内サッカーリーグ1部のクラブ「AC東京」の熱狂的なサポーター。張り切る彼女をよそに、ヒロは試合開始の2時間も前に来たことを不思議がる。スポーツ観戦にそれほど興味がなかったヒロは、試合前のスタジアムにはスタグルのようなお楽しみがあることを知らなかったのだ。

 そこで「スタグル最高ー!!」とハイテンションになるサヤ。彼女は次から次へとスタグルを買ってくる。ヒロも言われるままに迷いながらも選んできた。そのラインナップは……。

・よし清の台湾まぜごはん
ピリ辛ミンチのパンチが効いている!(サヤ)

・阿波牛の焼肉丼
味は甘辛、肉は柔らか!(ヒロ)

あつあつ!スタグル旅

・ドン・ファニーニのイタリア風ミートボール
ジューシーでデミソースは上品でビールと好相性!(サヤ)

あつあつ!スタグル旅

・鶴亀堂の焼きまんじゅう
酒饅頭を焼いて甘い味噌ダレをつけてこがしたものでビールとあう(サヤ)

・大本屋のステーキサンド
ステーキがやわらかくてソースとパンの相性もバツグン(サヤ)

あつあつ!スタグル旅

 スタグルの絵はリアルで、ふたりの食レポも相まって食べたさが募るかもしれない。作中に登場するサッカークラブやスタジアム、スタグルはすべて架空のものだ。しかし各クラブのファンや関係者にとっては、なんだか見覚えのある風景やグルメばかりではないだろうか。サッカーに詳しくない人も地域とクラブ名とスタグルを検索してみると、漫画の光景と重なる部分があるだろう。

※販売が終了、または内容が変更になる可能性があります

■「そうだスタジアム、行こう」サッカーと食を求める旅

 東京から横浜はまあ近い。しかし近くなくてもサヤとヒロはスタジアムに出かけ、サッカーとスタグルを味わいつくす。つまり対戦相手のホームタウンである“アウェイ”への旅を敢行するのである。この「サッカーと食と旅」が本作のテーマなのだ。

“地のもの”を食べることは、旅の醍醐味。サッカーアウェイ旅では、地元の食材や料理やお酒をスタジアムで楽しむのだ。その地方の名物、名産がいっぺんに飲み食いできるので、タイパもコスパもいいと言える。なお作中では、スタジアム外の有名店やそのメニューっぽい光景も描かれている。ぜひチェックしてほしい。

 では、この食いしんぼうの新婚夫婦が訪れた場所と食べたスタグルをざっと紹介すると……。

【鳥栖(佐賀県)のホーム:駅前エステートスタジアム】
シシリアンライス、がばいばあからあげ、ほか

あつあつ!スタグル旅

【京都のホーム:ミュートススタジアム】
九条ネギチキン京都バーガー、九条ネギ焼きそば、ほか

あつあつ!スタグル旅

【磐田(静岡)のホーム:ヤマバスタジアム】
浜松ビリヤニポークビンダルー、袋井産豚肉使用ブルー焼きそば、ほか

あつあつ!スタグル旅

あつあつ!スタグル旅

 これらのスタジアム名にピンとくるサッカーファンは多いはず。もちろんこれらのスタグルも食べられる可能性が高い。検索し、調べるうちに「食べてみたい」「地元にないのなら夏休みだし行ってみるか」となるかもしれない。

 ちなみに私もこの夏、サッカーの試合のチケットを取った。家族を連れて行くのは数年ぶりだ。ただ、自分はサッカーに対して“あつあつ”だが妻子はそれほどでもない。家族間にこのようなイベントへの温度差がある場合に重要なのは、交通の便はどうか、屋根はあるかという“快適性”。そして“食”である。「何が食べられるか」は、家族に重い腰を上げさせる理由になるのだ。

 まずは近場のスタジアムで観戦とグルメを満喫し、それから地方のサッカーの試合を調べておいて「こういうのを食べられるスタジアムへ行ってみない? 旅行がてら」と聞いてみようと思っている。

『あつあつ!スタグル旅』でサッカー旅とスタグルの魅力を知って、ぜひ実際に出かけてもらいたい。

文=古林恭

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