“楽しかったあの頃”を生き続けるコムドット・ひゅうが。「人生最高すぎ」る彼が過ごしてきた、これまでの人生を語る『漢道』

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公開日:2023/9/12

漢道(おとこみち)
漢道(おとこみち)』(コムドット・ひゅうが/講談社)

良いか悪いか自分でわかんない時もあるかもしれない。
けどかっこいいかかっこ悪いかくらいわかる。
信念貫き通してかっこいいことをしよう

 上記の言葉は、人気YouTuberコムドット・ひゅうがの初書籍『漢道(おとこみち)』(講談社)からの引用だ。

 物事を決めるときの判断基準となるのは、善悪でもなく計算でもなく、「かっこいいか・かっこ悪いか」という漢(おとこ)としての直感。どこまでも前向きな彼らしい言葉だが、本書を読むと彼のその前向きさの源泉と、彼が多くのファンからの支持を集める理由が分かってくる。

 彼は本書で「人生最高すぎてマジずっと生きていたい」という“らしい”言葉で毎日の楽しさを綴っているが、そんな日々を送れている理由として、「真っ直ぐに愛情を受けて、その愛情に全力で応えてきたからだと思います」と書いている。

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漢道(おとこみち)

 愛を注いでくれた存在としてまず挙げられるのは、彼が非常に大事にしている家族。特に母親は、ひゅうがが高校受験に次々と失敗し、崖っぷちにいた際でも「ひゅうがなら絶対に大丈夫!」と、前向きに励まし続けてくれたそう。彼が母親から信頼され、自分らしさを常々肯定されて育ってきたことが伝わってくる。

 そして彼は周囲の友達にも愛されてきた。小中学校で勉強をしてこなかったこともあり、高校受験で受かる学校があるかどうか……という状態になったときも、その後コムドットのメンバーになるゆうたと悪ガキ大将の友人から、「ひゅうがが行けそうな高校に行って、3人でバスケ部入ろうぜ!」と誘ってもらっている。

 自分は別の高校も選べるのに、高校に受かりそうにない友達に合わせて、進学先を選ぶ。これは、なかなかできないことだ。ひゅうがは本書で「何をするかじゃなく誰といるか」とも綴っているが、そのマインドは身の回りの友人の愛情を通して身につけた部分も大きいのだろう。

漢道(おとこみち)

楽しすぎた「中学3年生」の時間を今も生きるコムドット

 コムドットは中学時代のバスケ部の仲間で結成された5人組で、“地元ノリを全国ノリに”“放課後の延長”というスローガンを掲げていることでも知られている。そんな彼らが支持される理由も、以下の言葉から分かる。

ふとした時に考えると
自分が歩んでいる人生のありがたさをすごく感じます。
学校が死ぬほど楽しくて、
一生卒業したくないなって思ってた中学3年生。
卒業間際に僕が思ってたことを、
今になって自分たちの力で叶えてる感覚です。
『漢道』より

漢道(おとこみち)

 ひゅうがとコムドットは、今も中学時代の「あの楽しかったころ」を生き続けている。「この時間が永遠に続けばいいのに」と感じた時間のなかにいる。その多幸感が、動画を見るファンたちをも幸せな気分にさせるのだろう。

文=古澤誠一郎

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