ちいかわがイカ・タコ・シーサーに変身しながら地理を伝授。豊富なクイズで学べて、中学受験にもおすすめな情報量!

文芸・カルチャー

更新日:2024/2/23

マリスアングル
ちいかわ 47都道府県 クイズで学べる地理の本』(ナガノ/講談社)

 かわいらしいキャラクターで子どもたちにも人気のちいかわ。コラボグッズなども多く流通し、見たことがない人の方が少ないのではないでしょうか。そんなちいかわと一緒に地理が学べる本『ちいかわ 47都道府県 クイズで学べる地理の本』(ナガノ/講談社)が発売されました。

 小学校低学年の子どもがいる我が家。「都道府県の場所とか今から覚えておけたらいいかも!」くらいの軽い気持ちで手にとってみたのですが、思ったより本格的……! まず本書では都道府県について、ひとつずつ見開きで解説しています。左側のページでは図や写真、ちいかわのキャラクターを交えて地形や特産・文化などを詳しく紹介。そして右側のページでは面積・人口とその県が日本一であるポイントを掲載、さらに8個のクイズと県庁所在地が出題されています。つまり見開きの中にその県に関する情報がぎゅっとまとまっているのです。クイズという形式を使って、インプットとアウトプットが同時にできるようになっているのも、覚えやすさに繋がっています。

 さらに東北地方、関東地方など各地方の冒頭にはそれぞれの形からどの都道府県かを当てるクイズ、終わりには地方ごとのまとめクイズが16~24問も載っている充実ぶり。よほどの地理好きでない限り、本書のクイズに全問正解するのは大人でも難しいと思います。

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 本書の終盤では「まるごと日本」と題して川と平野、地方など日本全体を俯瞰して身につけていくべき知識をピックアップ。こちらも左ページで図解し、右ページでクイズを出題する形式になっています。さらには中学受験でよく出題される“日本三大◯◯”や伝統的工芸品・郷土料理に関するクイズを写真付きで掲載。まるでテレビのクイズ番組を観ているようで「授業ではさっぱり覚えられないけど、テレビで観るとすんなり覚えてしまう」というあるあるな現象が再現されます。

 全体を通して情報量はかなりガッツリあるのに、写真やイカ・タコ・シーサーにまで扮するちいかわのイラストのおかげでページをめくるのが苦にならないどころか楽しい! 我が家の子どもも、「低学年にはまだ早かったかな」と思いましたが、漢字にはすべてふりがなが付いているので意外と読めている模様。すべて読まないにしても、時々眺めて「いちごの(生産量)一位は栃木県だって!」と言ったりしています。勉強のつもりじゃなくて自然と地理の知識が身に着いたら、それが一番理想ですよね。そして地理の知識は受験だけでなく、ニュースを観ている時や日常会話など、日々の暮らしの中でも必要なもの。実は人前で話す時、たまに恥ずかしい思いをするレベルで地理の知識がない私。子どもと本書を読んで、「今度一緒にここに行きたいね!」なんて言いながら、一緒に勉強中です!

文=原智香

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