『うちの上司は見た目がいい』だけじゃない!? 恋も仕事も一途でひたむき。そんな姿に心打たれる大人の恋愛群像劇

マンガ

公開日:2024/3/19

うちの上司は見た目がいい

 日々仕事に向き合い、人間関係も経験もどんどん増えて充実した日々を送っている。だけどそろそろ支え合う恋人が欲しい。トキメキってどんな気持ちだったっけ? そんな恋が恋しいあなたに届けたいのが『うちの上司は見た目がいい』(山崎ハルタ/KADOKAWA)だ。著者は「スーツ姿に黒髪メガネなどカッコイイ男性のイラストが萌える!」とSNS等で人気のイラストレーターでマンガ家の山崎ハルタ先生。


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うちの上司は見た目がいい_書影
うちの上司は見た目がいい』(山崎ハルタ/KADOKAWA)

 舞台はとある広告代理店。そこで働く見た目が最高なうえに誰にでも優しい上司・速水(28歳)としっかり者の美人部下・青山(26歳)。この2人を中心に主に3つのラブストーリーが描かれていく。

うちの上司は見た目がいい

うちの上司は見た目がいい

 高身長、高学歴、広告代理店勤務。トレンディドラマの主演として登場するような一見完璧な上司・速水。しかし速水には実はかなり天然でおっちょこちょいという一面が。メガネ、黒髪、スーツとあらゆる萌えが盛りに盛られているというのに、ここでギャップ萌えまで追加されてしまう。こんな上司がもし現実に存在してしまったら好きにならないでいられるだろうか? 実際、物語の中でも速水は老若男女問わず周囲の人々を無自覚にたらしこんでいく。

 対するヒロインの青山はいわゆるバリキャリ美人。とにかく仕事ができるし、気も回る。トレンディドラマだったら途中でかわいらしい系女の子の当て馬役に抜擢されてしまいそうな隙の無い女性だ。下手すると可愛げのないキャラに位置づけられてしまいそうなところだがこの青山、仕事ができるだけでなく考え方や言動が実に格好いい。息をするように上司部下問わず世話を焼いている。そこらの男性では敵わないくらいのイケメンなのだ。

 読み進めていくとどちらがヒロインなのか分からなくなってくるが、そんなことはどうでもいい。恋愛マンガの型に囚われない、魅力あふれるふたりの恋が始まる瞬間にのめりこんでいってしまう。

 そして本作で描かれているのは速水と青山の恋愛模様だけではない。速水と青山の部下である安西くんと、安西くんのお隣に住む佐々木さんが出会って、互いに勇気を出しながら少しずつ距離が縮まっていく様子に共感しつつキュンキュンさせられる。

うちの上司は見た目がいい

うちの上司は見た目がいい

 速水、青山と同じ代理店で働くチャラくてちょっとSなこれまた見た目がいい神崎が、自分になついてくる明るくまじめなバイトの穂坂をからかう様子にドキドキさせられたりと見どころ満載でページをめくる手が止まらない。

うちの上司は見た目がいい

うちの上司は見た目がいい

うちの上司は見た目がいい

 それぞれの恋物語は展開も進展していくスピードも違うが、共通しているのはキャラクターたち皆、恋も仕事も一途にひたむきに頑張っているところ。そして紆余曲折あるが奇跡のような出会いを大事にしていくところだ。

うちの上司は見た目がいい

『うちの上司は見た目がいい』は全4巻。彼らの物語はそれぞれの結末を迎えていくのだが、恋は成就してからが本番。きっと彼ら彼女らはこれからも互いを思いやり幸せを模索していくのだと思う。恋を思い出したいとき、恋に勇気を持ちたい夜には本作を覗いてほしい。仕事も恋もひたむきに一途にがんばる彼らがきっと勇気を分けてくれるだろう。

文=ネゴト/よね

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