定着率が上がる学習法は? 親子で楽しくできる「話す」「書く」の“アウトプット学習”をまとめたメゾット本

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公開日:2024/3/17

外に出してどんどん伸びる「アウトプット勉強法」
外に出してどんどん伸びる「アウトプット勉強法」』(親野智可等/KADOKAWA)

 子どもに勉強を好きになってほしい。自分から進んで勉強して学力を上げてほしい。小学生の子どもを持つ親なら、そう願う人も多いのでは。でも、「学校や塾で授業を聞くだけ」「ただ教科書を読むだけ」では、じつは学習内容はなかなか定着しない。

 知識を頭にしっかりと残すのに必要なのは、インプットした知識を「外に出す」こと。その勉強法を提案しているのが『外に出してどんどん伸びる「アウトプット勉強法」』(親野智可等/KADOKAWA)だ。教育評論家の親野智可等氏が長年の教師経験から、定着率も高く、親子で楽しくできる「アウトプット学習」の具体的な例を紹介している。

外に出すこと(=アウトプット)で、知識が頭に残る!

「勉強」と言われると、授業を聞く、黙って教科書を読む、そして問題を解くといったことをイメージしないだろうか。「聞く」「読む」というのは、「インプット学習」と呼ばれる受け身のもの。この方法では、学習内容の定着率は決して高くなく、5〜10%ほどだという。

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 対して、「グループ討論」や「自分で体験する」「人に教える」といった「アウトプット学習」に分類されるものの定着率は、50%以上にもなる。つまり、インプットしたことを頭で整理し、話したり教えたりすることで、しっかりと残るのだ。考えたことを文章にして書いたり、図やイラストなどで描いて表現したりすることでも、同様の効果が期待できる。

「話す」ことと「書く」ことを繰り返すことで、学習した内容が頭の中に蓄積されていく。このアウトプット学習を家庭で取り入れることを、著者は勧めている。

外に出すこと(=アウトプット)で、知識が頭に残る!

親子で楽しく「話す」「書く」! これが学力アップのポイント!

 家庭でできる「アウトプット学習」には、学校の宿題の定番「音読」がある。文章を声に出して読み、音として受け取ることで、その内容が頭に残る。もしかしたら、子どもがふざけながら読むこともあるかもしれない。そんなときは注意するのではなく、「おもしろいね」と言って、どんどんふざけて読ませるのがいい。

 ほかにも、家族で過ごす場所にホワイトボードをかけ、コミュニケーションのツールとするのも「アウトプット学習」に繋がる。勉強とは関係ないことでも、たくさん書くことで子どもの地頭が鍛えられるのだ。

 大切なのは、子ども自身が「楽しい」と感じ、自発的に「やりたい」「やってみよう」と思うこと。そして、親がたくさん褒めて応援することだ。これが、子どもの好奇心を刺激して興味を広げ、学力を上げる秘訣になる。

親子で楽しく「話す」「書く」! これが学力アップのポイント!

文=色川篤実

【著者プロフィール】
親野智可等(おやの・ちから)
教育評論家。本名 杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について具体的に提案。Instagram、Threads、X(Twitter)、Blog、メルマ
ガや各種メディアの連載などで発信している。『子育て365日』(ダイヤモンド社)、『反抗期まるごと解決BOOK』(日東書院本社)などベストセラーも多い。