安倍晴明VS安倍昌浩、祖父と孫の本気の殺し合いが始まる…!

ライトノベル

2013/3/27

少年陰陽師 こぼれる滴とうずくまれ

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / 角川書店
ジャンル:ライトノベル 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:結城光流 価格:525円

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『少年陰陽師』は、角川ビーンズ文庫の看板とも言える人気ライトノベルシリーズです。今までにアニメ・ドラマCD・ゲーム・舞台と多数メディアミックスされてきました。

本作『少年陰陽師 こぼれる雫とうずくまれ』は、少年主人公だった安倍昌浩(あべの まさひろ)の青年期の始まりとなる、尸櫻(しおう)編の2作目。実に9年、30冊以上にわたるシリーズ全編でずっと頼りにしてきた師であり祖父・安倍晴明の変貌など、読んで衝撃が走る1冊でした。

時は平安。安倍昌浩は稀代の大陰陽師安倍晴明の末孫で、後継と目される半人前の陰陽師。修行に励みつつ、人知れず唐渡りの大妖怪を倒したり、黄泉の屍鬼(しき)から都を守ったりと大忙し。播磨で3年間の修行を終えた昌浩は17歳となりました。彼の祖父晴明はもう良い歳で、体調も崩しがち。だというのに貴族に頼られすぎてまともに休めない日々が続きます。心配した家族一同は、晴明を吉野で休養させることに。

しかし晴明は都から離れたがりません。彼を説得するために内親王様まで巻き込む昌浩の姿をみると、1巻で晴明の口八丁に負けてぐぎぎと悔しがっていた姿が思い出されて感慨深くなるというものです。

そうして吉野へと向かう晴明を見送った昌浩の元へ、晴明行方不明の知らせが届きます。同時に姪が件(くだん)という妖に池に引きずりこまれ、生死も知れぬという危急が発生。駆けつけた彼の前に現れたのは、常の清冽な霊気ではなく妖気を漂わせる晴明でした。

そこから始まる、都に残っていた十二神将と晴明についていった十二神将の本気の殺し合い。晴明の式神として、昌浩の手助けをして苦難を共にした彼らが本気で攻撃をして来た時の混乱といったら! 昌浩はもちろん読者も呆然とするほかありません。

さらには決して外れぬという件の予言で「相討って双方共に死ぬ」と宣告されてしまうのです。様子のおかしい晴明、どうしてそんな彼の命に十二神将は従っているのか、強い絆で結ばれていた晴明と昌浩は本当に殺し合うしかないのか、そして次巻が気になるラストページ!

青年期昌浩の物語は序章から大激震しています。これから物語がどう転がるか全く読めず、目が離せないシリーズとなりそうです。


昌浩の後ろで繰り広げられる、晴明(祖父)と彼を心配する吉正(父)とのやりとり。不毛な応酬に漂う家族愛が微笑ましい

3年間の修行の後、久しぶりにゆっくりと語らう昌浩(中央)と神将たち。和気あいあいとしている分、後半との落差が…

豹変した晴明と対峙したときの昌浩。今まで積み重ねてきた2人の絆を知っていれば、きっと昌浩が受けたものと同等の衝撃を受けるはず