ラーメン屋ののれんをくぐると、カウンターから猫の大将がお出迎え!?

公開日:2013/4/26

猫ラーメン (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : マッグガーデン
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:そにしけんじ 価格:400円

※最新の価格はストアでご確認ください。

エプロンとねじりはちまきをつけた白猫がドヤ顔で堂々と立っている4コマ漫画の表紙に、デジャヴを感じつつも、しかしどこで見かけたのかがわからない。勘違いかと思いましたが、やはりこの自信に満ち溢れた二足歩行の猫には見覚えがある。こうなると中身が気になってしかたないもので、辛抱たまらず購入。読んでやっとスッキリしました。私は昔、これをショートアニメで見たことがあったのです。

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2分半のギャグアニメだったのですっかり忘れていましたが、少し読んですぐに思い出せたのは『猫ラーメン』の面白さが本物だったからこそでしょう。しかしアニメ化に留まらず映画化もされているとは…『猫ラーメン』がたくさんの人に愛されていて、なんだかこちらまで嬉しくなってきます。

本作の魅力は、なんと言っても主人公猫である大将のキャラクター。向上心に溢れ、あの手この手でよりおいしいラーメン、個性的なサービスを目指して日夜努力しています。猫でもおいしく食べられる麺を開発するほどの努力家なのです。しかし、猫味覚にあわせた麺なので人間にとっては…お察しください。大将は人間のアルバイトも雇っていて、常連客の田中さんは味の改善を期待しますが、大将の店の味へのこだわりを甘く見てはいけません。彼らにもしっかり叩き込んでいます。だからラーメンは終始まずいまま(笑)

4コマの形ではなく、ショートコミックの形で語られる大将の過去もまた面白い。スーパーキャットモデルの父からの、重い期待と厳しい指導に耐え切れず、家を飛び出し流れ流れてラーメン屋へ。自殺を考えていた時に拾ってくれた、屋台ラーメンの親父との心温まるふれあいにはジーンとしました。同じ形式で、大将の初恋やライバル店との切磋琢磨などが語られます。どの話も大変イイ話なのですが、ちゃんと話の締めにオチを持ってくるのが大将クオリティ。じんわりと温かな気持ちで、最後にクスリと笑わせてくれるので読後感はとても爽やかです。

殺伐としたニュースばかりが続く昨今ですが、ぜひこの機会に『猫ラーメン』で癒されてはいかがでしょう。


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(C)Kenji Sonishi 2006