いがらしみきおの衝撃作! 生きるってなに?

コミック

2013/9/23

I【アイ】(1)

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 小学館
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:いがらしみきお 価格:432円

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いがらしみきおさんといえば、私にとっては『ぼのぼの』のイメージで、ほんわか系のギャグ漫画家だと思っていましたが、この作品はそんなイメージとはかけ離れた衝撃的なもので、1話から言葉を失うような感覚に陥りました。

正直に最初に、気味が悪いな、と感じました。私はホラーが好きですが、ホラーともサイコホラーとも違う、怖いというよりもっとジュクジュクと染みてくるような生々しい感覚を味わいました。舞台は1940年~頃の宮城県が中心でしょうか。物語の主人公である雅彦の心中以外はひどくなまっています。それが昭和の薄暗い部分のイメージと、独特のタッチで描かれた絵で、気味の悪さを増幅させるのです。

もうひとりの主人公・イサオがその最たるもので、生まれる前から目が見えていたりと特殊な能力を持っています。少年時代の1コマは、顔は中年のようで無数にハエがたかり、目はどこを見ているのか分からなく、その身体は…インパクト大です。そんなイサオが次々に人の死に関わっていきます。どうやって? 何故? 人と違った考え方をするイサオに惹かれるのか、ある日雅彦は神様を見つけたいと言うイサオと旅に出ます。その旅先でも次々と―。

2巻ではイサオと離れることになった雅彦が、宗教団体に似た施設で暮らし始めます。その団体も気味悪く、一般社会ともイサオとも違った常識のなかで生きています。他人が家族として暮らしたり、仲間が死んだらその肉を一欠片全員で食べるとされていたり、奇妙なルールが普通に行われています。

ただその団体も、イサオも、一般社会も、その中に入ってしまえばそれが常識で、決められたものなんて本当は何もないんだと感じさせます。幼少の頃から、当たり前のように生きて生活して死ぬことに疑問を感じていた雅彦。人の生き死にを自在に操るイサオに触れ、常識とは違う生き方をする団体に触れ、どういう結末にたどり着くのか。

そして作者はイサオの特殊能力に、いったい何のメッセージを込めたのでしょう?


【1巻】小学生のイサオ。何を思っているのかまったくわからない

主人公・東は、誰からも認められるナイフの使い手。「殺すべきを殺すだけ」

イサオの能力の一部。おばあさんに何が起こったのか

【2巻】赤の他人の家族。よく見るとケガや洋服と、おかしなところが多々

この団体には様々な行があるようだ
(C)いがらしみきお/小学館