迂闊なライダー、ユーラシア大陸横断記!!
公開日:2013/12/8
そのスタイルは数あれど、世の中には無謀な旅に出る人々が存在します。当時大学生の著者も、ある日唐突にバイクでの単独ユーラシア大陸横断を決意したのでした。
とはいえ決意してから軍資金を貯めるまで2年の月日を要しています。その間いろいろ調べて準備は万端のはず。 1999年いよいよ旅が始まります。しかし単独での海外は初めてで、しかもバイクを日本から持っていくという難題もあり、どうしてもトラブルは避けられません。それは仕方ないのですが…、あまりにもいろいろと迂闊じゃないかしらと思うのは私だけでしょうか!?
まず英語があまりできない時点で私なんかは断念しそうです。せめて2年の間に猛勉強するか対策をたてておこうと考えますが、そんな様子はないままに旅立っているもんですから、出発点に着く前のトランジットの時点で大わらわです。こんな調子で大丈夫かしら…とプロローグで思うもまだまだこんなもんじゃなかった!
一番驚いたのは雨合羽。バイク移動で野営も含む行程なのに、雨合羽を持ってきていないのです。アウトドアにおいて雨合羽の重要性はとても高く、5本…いや3本の指に入るんじゃないかというくらい大事だと私は思うのです。真っ先に用意しといて!ゴアテックス(高機能素材)のやつ!
それから日本から用意していた寝袋。…広げてみたら寝袋カバーだった! 日本で試してから持ってこよーよ! 入ってみて暖かさとか確かめとこーよ! ただそんな不便は2巻になるまで味わっていないし、同行者のお陰でなんとかなっているから凄い。 この本の魅力はそんなつっこみ所があるところだと思います。
旅となれば忘れちゃいけない食事、トイレ事情、女性問題なども見所です。 特に人々との出逢いは欠かせないもので、騙されながらも飛び込んでいくところは著者の魅力だと思います。最初はどうなっちゃうんだろうと思った装備も、3巻目にしてようやくいっぱしのライダーになってきました。続きが楽しみです。
こういう旅行記の楽しみは、その時代のその国々を疑似体験ができることだと思います。今ではネットもGPSも普及していて旅行はもっと簡単になっているでしょうし、町並みも近代化されているでしょう。不便だからこその楽しみを、お正月などゆったりしているときに炬燵などで暖まって読めば、至福な一時を味わえそうです。
【1巻】ユーラシア大陸横断地図
【1巻】きっかけなんてこんなことかも。重要なのはやるかやらないか
【1巻】食事の場でこれはダメー!
【2巻】時に同行者ができることも。大事な出会い
【3巻】魅惑的な街に離れがたいことも