シベリア帰りのお方が隣でミミズを食事中。自然図鑑があれば、日常はこんなにドラマチック!

更新日:2011/9/21

野山の鳥

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 保育社
ジャンル:絵本・こども・図鑑 購入元:eBookJapan
著者名:小林桂助 価格:420円

※最新の価格はストアでご確認ください。

最近、iPhoneに図鑑の電子書籍をいくつか入れた。
  
で、買い物や散歩の途中で見かけた植物や野鳥を調べては、やいやいとおもしろがってる。おすすめのひとつは、保育社のカラーブックスシリーズ。昭和っぽいしっかりとした色合いで、写真や図版がたくさん載ってて、ハンディーなのに内容が濃い。

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たとえばこないだ近所で見かけたのは、ツグミ。そんなに珍しい鳥でもないし、見かけもわりと地味なので、最初は野良猫を見かけたぐらいの気分でしかなかった。おー、いるな、とね。
  
でも、『野山の鳥』を開いたら「秋大群でシベリアより飛来する」とあるのだ。まさかご近所に、あんな遠くからきたお客さまがおいでとは! がぜん見る目が変わっちゃった。こんな薄い翼で、冷たい海の上をひたすら飛んできたんだよねえ。お連れ様はどちらへ? 「ミミズなどをとって食べる」という説明を読みながら、どうぞどうぞ存分に召し上がれと思う。
  
町なかだから、レアな動植物に会えるわけではない。それでも図鑑があれば、なんてことのない散歩道がちょっとだけ特別になる。紙の図鑑を持ち歩くのはヘビーだけど、これなら気軽に携帯できる。というわけで、以前にも増して歩く楽しみが増えているこのごろなのだ。

紹介されているのは182種。村里、草原や農耕地、森林、深山や高山など、生息地ごとにわけてあるので使いやすい。近所を散歩しながら開くのもいいし、旅先で珍しい鳥を見つけるのも楽しいものだ。ちなみにカラーブックスの野鳥図鑑には、ほかに『水辺の鳥』もある

ヨーロッパでは古い図鑑の図版を額に入れて飾ることがある。電子書籍なので額には入れられないけれど、iPhoneのホーム画面に貼り付けたくなる。ちなみに右上がツグミ、はるばるシベリアより渡来なさるけなげなお方

モノクロページにはそれぞれの鳥の鳴き声や生態、サイズなどがコンパクトに書かれている。かと思うと時折「そこまで書きますか…」と思うほど事細かな記述も見受けられ、筆者の愛情や好みが伝わってくるのがいい

巻末近くにある「季節による鳥の移り変わり」はエッセイとしても読み応えがある。また「巣のいろいろ」は、さまざまな鳥のスイートホーム(しかもかわいい卵つき!)が写真と文で紹介されていて、お宅拝見気分 (C)小林桂助/保育社