読むとうっかり元気に!【このマンガがすごい!2015 】オトコ編第3位は、甘酸っぱすぎるボーイミーツガール

2015/2/24

子供はわかってあげない(上)​

ハード : 発売元 : 講談社
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著者名:田島列島 価格:※ストアでご確認ください

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 あぁ、そうだ。青春って、とってもこそばゆかったんだ。夏の青空の下で、少年と少女が、相手に気づかれないように触れたり離れたりしながら徐々に心をかよわせていく。一度は夢にみたり、または過去に思い描いたりした、くすぐったい心象風景。本書では、青春のボーイミーツガールがこれ以上なく透明に、ピュアに描かれていて、読者は思い思いの“あの夏休み”にトリップすることができます。

 「水泳×書道×アニオタ×新興宗教×超能力×父探し×夏休み=青春(?)」という触れ込みで読んでみると、なるほど、確かに時期は夏休みで、少女・朔田美波は水泳部で、少年・門司昭平は書道部で、新興宗教や超能力者だって登場します。アニメ&サブカルネタもあちらこちらに散りばめられています。

 「タルンドル朔田」とあだ名されるマイペース少女はアニメ『魔法左官少女バッファローKOTEKO』の熱狂的ファンだし、秘密兵器のアイスクリームは「リーサルウェポン」だし、門司くんの兄(見た目は♀)は「ジッチャンの名にかけて倍返しだ!」とキメ顔でのたまうし、章タイトルには「あの日つけた技の名前を誰にも教えない」なんてのがあるし。まあ、そもそもタイトルからして、某有名映画を彷彿させるワケですが。とまあ、そんな小技もステキですが、やっぱり最後はド青春ぐあいにくすぐられて。

 絵がこなれていない、構成やコマ割りがややぎこちない。作者の初となる単行本だからこその果てしない伸びしろを感じさせる描き味と才能が、これまたこそばゆい。

 上巻は少年と少女の“よくありそうな”出会いと、のんびりとした日常が。一転して下巻では、“本当の父親探し”を経て急接近するふたりの緊張感が、ときに照れ隠しをしながら描かれます。

 クライマックスの告白シーンは、コミックの歴史に残る珠玉の出来だと、自信をもってオススメしたいです。このふたり、ういういしくてかわいすぎる!


ネタ満載

行方不明の少女を探す。少年が男になっていく

砂浜に少女の名前を書いてみたり。書道部だけに達筆

偶然に再開するふたり。運命の扉が音をたてて開き始める