シリーズでイチ押しのテーマ。「見える人=デキル人」の時代を生き抜くためのヒントが満載!

2011/9/4

ビジネスマンのための「発見力」養成講座 こうすれば、見えないものが見えてくる

ハード : iPhone/iPad 発売元 : Discover21
ジャンル: 購入元:AppStore
著者名: 価格:600円

※最新の価格はストアでご確認ください。

本書は経営コンサルタント・小宮一慶氏のビジネスマンのための講座シリーズの1つ。感覚的に語られることの多かった「視点」を、「発見力」として再定義し、具体的な身近な事例をベースに、わかりやすい方法論に落とし込んだ良書だと思います。
  
本シリーズには「発見力」のほかに「数字力」「読書力」「解決力」がありますが、ふとけんに最もグサッと来たのが、この「発見力」です。サブタイトルに「こうすれば、見えないものが見えてくる」とあるように、視点を得て仮説を立てるためのヒントが満載です。

具体的な例として、「サラダバーのプチトマトのヘタを取ってあれば一流ホテル!」「旭山動物園が上野動物園より入園者が多い理由」「コンサルタントの工場視察、どこを見るか?」など、ビジネスマンでなくとも親しみやすい具体例から、関心→疑問→仮説→検証を辿るプロセス解説が、最もインプットとして吸収してほしい部分です。
  
しかし最も根幹である「いかに関心を持つか」について、小宮氏は『渇望』を掲げており、ふとけんも全くもって同意見です。すなわち、いくらスキルや方法論を身に付けても、渇望しない限り見えてこないのです。つまりどこまで真剣に、切羽詰まって、解決策を求めているか、というのはビジネススキルの本質であり、かつ活用の前提なのです。
  
成熟化した今のビジネス社会において求められるのは、自らの脳ミソで考える体力。社外から関わるコンサルタントであれ、社内から関わる従業員であれ、言われたことを言われたようにやっているレベルでは、もう通用しない時代が来ているよ、という厳しい示唆も感じることができた方には、欠かせない一冊となるはずです。

本書には見える力の大原則として、「1.気にしていると、ものは見える」「2.思い込みがあると、ものは見えない」「3.人は、自分に必要なことだけを選んで見ている」「4.人は、本当に必要なことを見ていないことも多い」の4つが掲げられています。これらを自覚して仕事や情報収集に臨むだけでも、違うのではないでしょうか

仮説とは「基準」。「基準」や「仮説」が「見える力」を決定しています。本書では例として、同僚の女性社員が髪を切ったことに気づくために、「月曜日にだけ、特に注意して見ること」を挙げています。「基準を持つためには、関心を持つべきターゲットを絞り、分けて見る」ということの「超」具体的な例として、経営者らしからぬユニークさがあります

有名な旭山動物園が上野動物園より入園者が多い理由の探求は、すなわち旭山動物園にあって上野動物園にないものは何か、を探すことに他なりません。いったい、人は旭山動物園に何を求めてやってくるのか? 筆者の仮説によれば、それは「感動」だそうです。唯一の正解はほとんどないビジネスの世界において、仮説に到達するためにこのようなプロセスに分解できることも、ヒントになるのです

この図はボストン・コンサルティング・グループが考えた有名な分析手法「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」の概略です。経営書ではこの他にもさまざまなフレームが紹介されていますが、これらは「道具=技」として上手に使いこなすことの大切さが説かれています。本書では花王と小林製薬の違いを、このフレームで比較しています