田原総一朗が「戦中戦後」を明快に解説! 孫向けでもジャーナリスト魂は健在

アメリカ

2015/8/15

おじいちゃんが孫に語る戦争​

ハード : 発売元 : 講談社
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著者名:田原総一朗 価格:※ストアでご確認ください

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 第二次世界大戦、あの悲惨な太平洋戦争が終結して今年で70年。戦争を知る世代はどんどん減り、変わって憲法改正やら集団的自衛権、そして安全保障法制と、なんだか武力がじわじわと身近になってきているような、きな臭い話題が多い今日この頃だ。

 ジャーナリストの田原総一郎氏といえば、まず思い浮かぶのは、ちょっと古いけど「朝まで生テレビ」で司会する姿。硬派で強面のイメージだ。その田原氏が小学校5年生の自分の孫に向けて、70年前の戦争とそれに続く戦後、自分が何を体験しどう考えたか、歴史背景と共に明らかにしたのが本書「おじいちゃんが孫に語る戦争」だ。

 田原総一郎がおじいちゃん!? 小学生向けの戦争本? 圧倒的なミスマッチ感が逆に気になって手に取ってみると、これがとてもわかりやすい。なぜ日本が戦争したのか、どうしてあんなに長引いたのか、いろいろな立場が錯綜する場面も平易な言葉ですぱっと鮮やかに解説してあり、そうか、そういうことだったんだ、と今さらながら納得することしきり。そして現行憲法の成り立ちや自衛隊の成立など、そのからくりも明快に描かれる。憲法がアメリカの押しつけというけれど、自衛隊も同じ穴のむじなだったとは…。恥ずかしながら知らないことばかりで、自分の無知さに愕然とした。

 子供向けということで、イラストは豊富だし、何より短い。あっという間に読めてしまう。けれどそこに書かれているのは、「自分で事実を知ることの大切さ」という、まさにジャーナリズムの根幹ともいうべき揺るぎない信念だ。8月15日を境に今まで白と言っていたものを手のひらを返したように黒といい、それに何の違和感も感じない新聞、教師、そして大人達。それらに対する田原氏の見方は辛辣だ。現代の日本に存在するさまざまな問題も、「なんだかよくわからないから…」と鵜呑みにしていたら、また同じ過ちを犯しかねないと身につまされた。子供はもちろん、戦争を知っているつもりの大人にとっても、今読むべき一冊だ。


国際連盟を脱退したのは日本が孤立させられたからと習ったけれど、実際は自分から望んだことだった!?

国中が「戦争やれやれ」モードになっていたということか?「悪いのは全部軍部」と教わったけれど…。

当時のトップだった東条英機自身、国内のことにしか目が向いていなかったとは…。なんと近視眼的国民性!

的確な状況判断。これって、現代の日本人も不得意なのでは。

なんと、日本に軍隊を作らせないと決めたのも、復活させようと決めたのもアメリカだった。そして今に至る…

耳障りのいい言葉ほど危険なものはないのかも。