ライトにしてヘビーなライトノベルにパニッシュされよ

ライトノベル

2012/1/22

ガガガ文庫 パニッシュメント

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 小学館
ジャンル:ライトノベル 購入元:電子文庫パブリ
著者名:江波光則 価格:378円

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「なんだ?」ってな標題を付けてしまいましたが、「序盤こそライトな恋愛小説っぽいけれど、次第に内容がヘビーで底深くなってくるから、心して読んでくださいね(なめてかかるとパニッシュ=処罰されちゃいますよ)」といったメッセージを込めてのことです。

小学校から一緒で仲がいい友達(女子高生)と「殺す」とか「性病」とかのキーワードをからめたぶっちゃけトークをしたり、その女子がトートツにお弁当を作り学校に持ってきて困惑させられたり、腹の探り合いで微妙な空気が流れたり、クラスの地味な女子がタロット占いで急に人気者になったり、進路で悩んだり。序盤こそそんな感じで、萌え要素もあり、青春系ラノベど真ん中って感じなんですけれど…。

セリフまわしが秀逸。言葉ひとつひとつがまるで生き生きと脈打っているようで、数ページ読むと、すっかりキャラに気持ちを入れ込んでしまうかも。「で。この2人、付き合うの? 付き合わないの?」なんてやきもきしているうちに、なんだか暗雲立ち込める流れで、次第に「新興宗教」「父の存在」「神殺し」などの重くてどっぷり深いテーマがからんできます。

甘酸っぱく平穏な日々が、ガラガラと音を立てて一気に崩れていく展開は圧巻です。序盤に書かれている、主人公による「『今にも人を殺しそうな顔を、ふとする』と人から言われる」といった独白が、のちのち、なんらかの暗示になっていたと気づかされる瞬間といったら。

学校に巣食う闇、つまり「自分の居場所」の問題とからめて、リアリティをもって人間関係が劇的に変化していきます。あらためて、教室というものは、さまざまな人間を一緒くたに飲み込んで、不思議な空間を作っているのだな、と。自分以外の人間は、一体、教室がどのように見えていたのかな? そんな哲学チックなことを、ふと考えさせるような作品です。

ラノベファンも純文学好きも、なにかしら心に残る作品になると思います。

学校外でたまたま友達と出会うと、ちょっとテンション上がったりしますよね

精緻な描写が、キャラクターを生き生きとさせる

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