職場の「困り者」との上手な付き合い方。責任取らない、前例ばかり、手柄を横取り…

ビジネス

2017/7/14

『カイシャの3バカ 会議好き、規則好き、数字好き』(榎本博明/朝日新聞出版)

 会社という組織に属していると、実に様々な人に出会う。素晴らしい人もいれば、ちょっと面倒だなと思ってしまう人も。仕事をする相手を自分で選べないことも多く、大変な思いをすることもあるだろう。例えば、無駄に会議を設定する人。会議をしなくても解決できるのに、やたら人を集めようとする。業務に追われている時には、正直つらい。数字にこだわる人も厄介だ。とにかく全てを数字でしか考えず、背景や諸事情を考慮してくれないタイプ。そして、規則にこだわる人。規則になければ必要な仕事もやらないし、規則で決められていれば、忙しい時期でも気にせず休暇をとったりする。

 ここで挙げた困った人たちは、『カイシャの3バカ 会議好き、規則好き、数字好き』(榎本博明/朝日新聞出版)で、“特に手に負えない3バカ”として紹介されている。様々な組織に属する人たちが、どんな“バカ”に困っているのかを調査した結果、様々なタイプがあることが発覚。著者は、その中でも特に「会議好き」「規則好き」「数字好き」の3バカが厄介であると指摘する。

■「会議好き」タイプとは?

 例えば「会議好き」タイプの場合。資料を読み上げるだけの会議など、集まる必要のない内容で会議を開催したりする。そして、会議自体も無駄に長い。さらに、長時間の会議をやっても結論が出ないなんてことも…。このタイプが身近にいると、当然、業務に支障が出る。急ぎの仕事ができず、業務は滞りがちになるし、顧客への対応にも影響が出かねない。

 著者によれば、このタイプは、会議をすることで「承認欲求」(他人から認められたいとする感情)を満たそうとしているそう。つまり、無駄な会議であっても、本人の欲求は満たせるのだ。さらに、日本は他人との間柄を重視する文化なので、他人に配慮して会議の時間が長引く。複数の人で話をすることで、責任は分散され、参加者みんなで物事を決めたという体でいられるため、自分が責任を取る必要がなくなる。または、従業員に思うことを言わせる場を設けてガス抜きをさせようとしている場合もあるそうだ。しかし、成果のない無駄な会議だと、残念ながら従業員のモチベーションは上がらない。

■「会議好き」への対処法

 会議のせいで現場の仕事に支障が出ていても、「会議好き」タイプには、その発想自体がない。では、身近にこのタイプがいる場合、どう対処すればいいのだろうか? 本書では、具体的に2つの対処法が提案されている。

 1つ目は、会議中に内職をしてしまうというもの。無駄な会議とはいえ、サボると評価にも関わるので、会議に出席しつつ、企画書を練ったり、戦略を考えたりしてしまおうという提案だ。もちろん、露骨に内職をすると「会議好き」タイプを否定することになるので、あくまでもこっそりと。

 もうひとつの対処法は、やむを得ないと思ってもらえそうな事情を作って会議を欠席するというもの。「会議好き」タイプは、会議を非常に重要なものだと考えているため、堂々とサボるのは厳禁だ。そこで著者は、取引先との約束を会議のある曜日・時間帯に入れてしまうなど、計画的かつやむを得ない事情で欠席することをオススメしている。他にも、「会議好き」タイプを守るためにやむを得ず欠席する、という形にするのも有効だそう。「◯◯さんに迷惑がかかるから」と言って欠席するのなら、相手も「仕方ない」と納得してくれるというわけだ。

 ただでさえ忙しいのに、無駄なことには時間を費やしたくないし、余計なストレスも抱えたくない。しかし、自分と価値観や考え方が異なる相手を理解し、うまく対処するのは難しいだろう。本書では、どこの組織にでもいそうな3つのタイプについて、心理メカニズムの詳細な分析や対処法が丁寧に説明されている。これを参考にして、今後の対策を練ってみてはいかがだろうか。

文=松澤友子