今話題の「ヒュッゲ」って? 北欧デンマーク流のシンプルで豊かなライフスタイル

生活

2017/11/11

 北欧の国、デンマーク。デンマークといえば、デザイン家具に代表されるおしゃれなインテリアに囲まれた暮らし。そんなイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。

 おしゃれで明るいイメージとは裏腹に、実は「暗くて、寒くて、物価が高い」という三重苦を抱えた国でもあります。北欧流ワークライフデザイナーの芳子ビューエルさんも、著書『世界一幸せな国、北欧デンマークのシンプルで豊かな暮らし』(芳子ビューエル/大和書房)の中で、初めてデンマークを訪れたときの感想を「暮らしにくそうな国のように思いました」と語っています。

■それでも「幸福度ランキング1位」のデンマーク

 本書によると、冬のデンマークは寒い上に日照時間が短く、太陽が出ているのは平均7時間程度。午後3時45分には日が沈み、真っ暗になってしまうというから驚きです。さらに福祉国家であるため税金が高く、消費税はなんと25%だとか!

 しかし、デンマークは、国際連合が定めた「世界幸福デー」(3月20日)に発表される「世界幸福度報告書」で過去に何度も1位に輝いています。幸福度が高いのは充実した社会福祉も理由の1つですが、デンマーク独特の「ヒュッゲ」の精神によるところも大きいようです。

■「ヒュッゲ」が日々の生活を、温かく心地よいものにしてくれる

「ヒュッゲ」は、(中略)明確にあてはまる一語が見つからないのですが、私自身の理解では「大切な家族や親しい友人知人とともにほっこりとした時間を過ごす」といった意味合いです。

 夜が長く寒い北欧では、自然と家の中で過ごす時間が多くなります。デンマーク人にとっても、“わが家”は特別。芳子さんは「少しでも温かく、楽しく、心地よいものにして、自分が孤独ではないことを実感するために、ヒュッゲという概念を生み出してきたように思えてなりません。そして、ヒュッゲな時間を演出するための道具立てとして磨き上げてきたものが、家具や照明器具やインテリア・デザインだったのではないでしょうか」といいます。

 一番大切なのは家の中で過ごす人が快適でいられること。そんな「ヒュッゲ」の精神が、デンマーク人の暮らしや、考え方の根っこの部分にあるようです。

■暮らしの中に息づくさまざまな「ヒュッゲ」

 本書では芳子さんの「ヒュッゲ」な実体験が紹介されています。

 紅茶をガラスポットにいっぱい作って、友人たちと語らう「ヒュッゲ」な時間。温かいグラスを両手に包み、火にかけたガラスポットの光のゆらめきを眺めながら、スローな時間を過ごします。

 ホームパーティはランチョンマットと普段使いの器でカジュアルに。料理も簡単な大皿料理を取り分けます。メニューやきれいなテーブルコーディネートに頭を悩ませるより、ゲストと一緒に過ごす楽しい時間のことを考える「ヒュッゲ」なおもてなしです。

 デンマークではベランダにチェアやテーブルを置く家が多いそう。ここで貴重な太陽の光を浴びながら、のんびりお茶を飲んだり、読書をしたり。薄手で暖かいスローケットが欠かせないお供。

 デンマーク人にとって“幸せ”は、お金があることや、贅沢をすることではなく、少しでも心地よく過ごそうと前向きな気持ちを持つこと。あなたも「ヒュッゲ」の精神を取り入れてみてはいかがでしょうか?

文=箕浦 梢