あなたも隠れテケジョ(鉄欠乏女子)かも? ダルい、イライラ、気分が晴れない……爪でわかる心の危機

ライフスタイル

2017/12/8

■「パンが大好き」「チョコでリフレッシュ」こそ、プチうつの原因!?


 20代から30代女子を中心に、プチうつ (心や体の不調)を訴える人が増えているという。「プチうつってどんな症状?」「自分とは関係ないんじゃない?」と思うかもしれないが、実は他人事ではないのだ。まずはA子さん(32歳)の体験を見てみよう。


 精神的に少し不安定で、イライラしたり落ち込んだりを繰り返すA子さん。頭痛や疲れやすさ、ボンヤリ、眠気にも悩まされている。気持ちを立て直すために手放せないのが、コーヒーとチョコレートだ。食べた瞬間だけはなんとかやる気を回復させられるのだが、精神科医・奥平智之(食事栄養療法・漢方治療専門)は「それが危険なのです」と話す。
 奥平医師はA子さんに食事日記をつけてもらった。

<A子さんの食事>
 朝食……パンとコーヒー。
 昼食……外食中心。パスタ、うどん、サンドイッチなど。
 夕食……手作りするときは野菜中心に。忙しいときはレトルトカレーや市販弁当。
 間食……コーヒー(1日3~4杯)、チョコレート(1箱)

 こう見ると、いたってフツーの食事である。こまめに手作りしているとは言えないが、作れるときには野菜中心にしようと努力している。
 ところが奥平医師は「A子さんの心の問題は、このフツーの食事に原因があると思います」と言うのだ。

 問題点は二つ。
(1)糖質が多すぎること。
(2)たんぱく質、鉄やビタミンB群などの栄養素が不足していること。

「糖質とは甘いものだけでなく、パン、麺、ごはんといった主食にも大量に含まれ、それが血糖値を急上昇させます。その瞬間は幸せな気分になるのですが、30分~2時間で血糖値は急降下します。このときに眠気、だるさ、イライラ、不安を感じることがあります。
 糖質が好きな女性の血糖値は、常にジェットコースターのように乱高下する傾向にあります。まずは糖質を減らさないと、ココロはいつまでも不安定なままかもしれません」(奥平医師)

血糖値が急上昇すると…?

あーー幸せ! がんばろう

30分~2時間で血糖値は急降下

ガス欠だ~。だるい、やる気が出ない。。

これをくりかえす

■「お肉はカラダに悪い」は古い常識。テケジョ(鉄欠乏女子)はまず肉・魚から食べよ

 そしてもうひとつ、たんぱく質、鉄やビタミンB群などの必要な栄養素があまりとれていないことも問題だと奥平医師は指摘する。
「お肉はカロリーが高くて油脂も多く不健康、というまちがったイメージを持つ女性は少なくありません。お肉は良質なたんぱく質で、鉄やビタミンB群を豊富に含みます。とくに女性は、肉類や血合いの多い魚をたくさん食べないと、毎月失われる鉄分を補うことはできません」

 奥平医師は、「生理のある女性の多くは、鉄欠乏」と言い切る。鉄とはミネラルの一つで、不足すると「鉄欠乏性貧血」の原因になることで知られるが、それだけではない。
「鉄は心身の健康と大きくかかわるミネラルなのですが、鉄欠乏の人の多くは、貧血にまで至っていないので、血液検査をしてもその多くが見逃されています」

 不安やうつ症状をやわらげるセロトニンや、ワクワクしたりトキメキをもたらすドパミンなどの脳内ホルモンの生成には、たんぱく質に加えて鉄が必須。また、全身の細胞の中で、エネルギーを産生するミトコンドリアも、鉄がなければ働きが落ちてしまうというのだ。

「生活習慣病である鉄欠乏症は、老若男女の心身の不調に大きく影響を与えています」と奥平医師は警鐘を鳴らす。「とくに、生理のある女性と子供の鉄欠乏の問題は、深刻な社会的問題です。胎児の脳などの中枢神経系の発達にも、鉄は非常に重要なミネラルなのです」
 にもかかわらず、鉄欠乏の女性があまりに多い。奥平医師は彼女たちを「テケジョ=鉄欠乏女子」と呼んで、注意喚起をしている。
「まずは自分がテケジョであることに気づいてほしいと思います」


■鉄欠乏かどうかは『爪』でチェック!

 簡単に鉄欠乏を見抜く方法があると奥平医師は言う。それはなんと『爪』。
「爪はたんぱく質に鉄などが作用してできています。アーチのない平坦な爪や、赤ちゃんみたいにやわらかい爪の人は、ひどい鉄欠乏です」
 爪を押してみて、スマホ画面と同じくらいのかたさを感じれば安心だ。


●こんな爪は鉄欠乏
・アーチがなく平坦で薄い
・やわらかくて割れやすい
・白っぽくて光沢がない
・爪を切るとき音がしない
・指先が冷たい

■食事を変えるだけで元気が復活。ダイエットにもなる?

 さて、A子さんはその後どうなったのだろう。マンガで追いかけてみよう。


 なんとA子さん、3カ月でスッキリやせて大変身。性格も前向きになったようだ、よかったよかった。
「テケジョを脱却したら、精神的に安定してストレスに強くなり、仕事もプライベートも上手くいくようになったという女性はとても多いんですよ。肌や髪の質も良くなるので喜ばれます」と奥平医師は笑う。

 A子さんのようなプチうつだけでなく、パニック障害や産後うつ、幻覚・妄想などのメンタル不調にも食事栄養療法は効果を発揮するという。その実例をまんがで紹介した本が出版された。「テケジョ」という言葉とともに、心と食事の関係も広く知られてほしいものだ。