ネタ満載。繊細で麗美な仮面をつけたドSギャグマンガに乙女はギャップ萌え死

2012/2/21

鬼灯の冷徹 (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : 講談社
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:江口夏実 価格:540円

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タイトルは「ほおづきのれいてつ」と読みます。ほおづきとは、地獄におわす閻魔大王の第1補佐官・主人公の鬼灯(ほおづき)のこと。

本作は、第57回ちばてつや賞一般部門で佳作受賞作の『非日常的な何気ない話』を元にした読み切り作品『地獄の沙汰とあれやこれ』を、さらに『鬼灯の冷徹』と改題して漫画雑誌『モーニング』で連載中の作品。またダ・ヴィンチ3月号特集「次にくるマンガランキング」では圧倒的票数を集めて第1位に輝きました。

【鬼灯のスペック】スマートにバリバリ仕事をこなす。地獄の誰もが認める敏腕。超優秀な人材。基本的に無表情。たまに、静かにキレる。鬼ドS。

そんな鬼灯くんが、持ち前の冷徹さを発揮して、地獄でバリバリ仕事をしたり、次々湧き出てくる難問をさらっと、ときには強引に解決したり、地獄の無能な鬼ども(上司である閻魔大王も含む)を虐げたりするギャグマンガです。

絵柄はまるで日本画のような流れるタッチで繊細、麗美。切れ目な鬼灯くんもどこかエキゾチック、というより古風な日本人顔をしていて、一見、美的な敷居の高さを感じさせるかもしれませんが、読み進めてみると、出てくる鬼たちのキャラクターはかわいいし、地獄はどこかほのぼのとしているし。死後の桃太郎は無職でフラフラしているし、悪霊サダコは相変わらず画面という画面が好きだしって感じでネタ満載。ちなみにプロレスネタやジブリネタもたくさん出てきます…とまあ、こんな感じで、とても入りやすいのですよ。

絵柄と内容、そして鬼灯くんのギャップ(「コアラめっちゃ抱っこしたい」発言や「ワラビーとお話したい」発言など)に、乙女ならギャップ萌え死することうけあいです。

教育的に本作を見てみると、地獄がテーマということで死生観の勉強になる、というより、実社会での人間関係のあれやこれやが楽しみながら垣間見られる、って感じでしょうか。

最近の教育現場では、社会化教育の一環で、学校から飛び出して、積極的に地域の多様な人たちと触れ合っています。まあ考えてみれば、本作は舞台こそ地獄ですが、鬼たちにとっては、フツーの社会。社会人として仕事をしていれば、「仕事がたいへん!」「頼りない上司の存在が…!!」「無能な部下が…!!!」などと思うこと、たくさんありますものね。社会化教育のサブテキストになるかもです(強引)。


目次。右下「attention」にあるように、現世で悪いことをしたら地獄に落とされるかも。でも、本作のような地獄なら、のぞいてみたい気も

第1話の扉。主人公の鬼灯。まるで日本画のように綺麗なタッチと細かい描き込みを見てください。でも、ページをめくってみると…

こんなギャグタッチですよ。右下の閻魔大王がかわいい

第1話は、桃太郎との緊迫の真剣勝負…かと思いきや、あっさりと勝負アリ。「金棒一振りされたら…」(お供の犬・シロ)

部下の失敗に厳しい。無表情で金棒を振るう(上のコマ)

ワンセグの画面から逃げた悪霊サダコを、ブルーレイ内蔵52型テレビで呼び寄せてワナにかける。「うおおおおお何コレ凄い画素数」(悪霊サダコ)

現世・天国・地獄って、こんなふうになっていたんですね(メモ) (C)江口夏実/講談社